レビュー
終戦から早75年、ナチ残党のナチ狩りもそろそろ時間がない。追う方も追われる方もヨボヨボ。一人ずつ疑わしい人物を訪ね歩く、でもそれは自身の記憶を辿ることでもある、という一種のロードムービー。 このおじいちゃん、認知症を患い(というか短期記憶のみならず記憶全般が眠るたびに飛んでしまうのってこんな型のあるのかなぁとは思ったけど)かなり心許ない。でも綿密に計画を立ててくれた友人の計らいでなんとか復讐の旅を続けていく。 途中、こんなヤツ21世紀にいるのか?!というレベルのファシストがいて本当に恐怖だけど(でもブラック・クランズマンを観た限りではやはりいるのだ)、このおじいちゃん、初めてグロックを手にしたにしては迷いがない。そこまで憎しみは強く、恨みは深いということ…なのか…? 70年来の復讐は果たされる、かもしれない。でもそれでも本人の心の暗黒はなくならない。そして、遺された家族たちが生涯抱えるであろう果てしない苦しみ。それこそ、復讐者が与え得る最高の罰かもしれない。
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