レビュー
2020年6本目はシリーズ最終章として9年ぶりに帰ってきた、『カイジ ファイナルゲーム』。 ------------------------------------------------------------ わざとらしいオーバーな演技でクサい台詞を叫びまくり、顔を真っ赤にして互いを罵りまくる、そんなこっ恥ずかしいやり取りも今では『カイジ』の代名詞。今回も吉田鋼太郎や真剣佑、福士蒼汰らが人間の性を剥き出しにして本音をぶちまけます。カイジファンとしてはこれを見に来ているわけで、約10年ぶりに藤原竜也演じるカイジのしょーもない底辺生活→鬼の首を取ったかのように説教を垂れる姿に「これこれ!」と云いたくなる方も多いのでは。 ------------------------------------------------------------ しかし残念なことにストーリーの出来映えは過去最低で、始まった瞬間にがっかりさせられました。カイジの命を賭けた闇賭博の世界はフィクションだから何でもアリで面白いわけで、それをいきなり「東京オリンピック後の2020年…」とか言われると非常に冷めます。ハイパーインフレとか、パワハラ・セクハラ上等の社風とか、全ての背景に現実社会を感じてしまって楽しむどころではありません。ホントにこの設定はいらなかったです。 ------------------------------------------------------------ また、カイジが日本政府の陰謀論に挑むヒーロー的な役割を担わされるのも何だかピンときません。最も致命的なのは、肝心の本作オリジナルゲームがカイジならではの駆け引き要素を欠いたクソゲー揃いなことでしょう。だからちっともワクワクしませんし、種明かしも一事が万事「実はこうでした」の後出しジャンケンばかりで、正直なところキャラクター以外に楽しめる点は皆無です。
いいね 13コメント 0


    • 出典
    • サービス利用規約
    • プライバシーポリシー
    • 会社案内
    • © 2024 by WATCHA, Inc. All rights reserved.