レビュー
念願の「マティアス&マキシム」鑑賞。 結論から言えば、観て良かったと思う。 でもちょっと間延びしてたし、展開があっちこっち行っちゃうから、うーん…もうちょっとこのシーンに浸らせて…⁈て思ったり、ちょっと退屈だなと思ったりしたときもあった。 いかにもドラン監督‼︎て演出は今回はちょっとトーンダウン。 ポップスの歌詞とシーンをリンクさせた使い方も控えめだったし、パーティーシーンも今までのMV感全開って感じではなかったかな。 カメラアングルは健在だったけど。 いろんな記事で目にしていた、ドラン監督の「普遍的なラブストーリーが撮りたかったんだ。」てのがよく分かった。 作中では男性間で起きた出来事だったけど、別に性別問わず起こりうるものだ。 演技としてのキスをきっかけに、これって友情⁈恋⁈って、まあよくある設定で、マティアスの動揺ぶりも笑っちゃうほどあからさまで、すべてとことんベタな設定ではある。 だから途中まで間延びというか飽きを感じたのかな。 しかし、マキシムのオーストラリアへの旅立ちが近づくにつれ、2人の間の緊張感も高まっていく。 そしてドラン監督もあれがクライマックスだと言っている、物置き部屋でのキスと愛撫のラブシーンへと繋がる… めちゃくちゃ泣いてしまった。 数十年分の気持ちが、堰を切ったように溢れ出す。僕たちの気持ちは、本当はこうしたかったと思うものだったのかもしれない、っていう2人の演技が最高で、かつとても官能的で良かった。 特にグザヴィエくんが短パン姿で棚に座ってるのが少年のように無防備に見えて、もう気持ちをすべてさらけ出すしかないかのように見えた。 さらには彼が震えながらキスしてる姿には、こっちの心も震えた。 パンフレットでグザヴィエくんは、一番難しい演技は泣く演技や感情的な演技だ、て言ってたけど、私はいつもそんな彼の演技に大きく心揺さぶられて泣いてしまう。 他にも、仲間内にも存在する生活レベルの格差や、ネット世代とその親たちの年代との格差、そしてやはりドラン監督作品には外せない母親との確執も描かれていた。 ロマンス要素も含め、すべてが特別なことでなく、誰にでもあり得るものだった。 ドラン監督が、変に肩肘張らず、撮りたいものを自然な形で撮った作品のような気がした。
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