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コンプリシティ/優しい共犯
平均 3.1
原題は「Cheng Liang」で中国人の主人公の名前。 邦題の「コンプリシティ…」とは共謀、共犯の意味。 日本、中国の合作です。 中国人の青年チェン・リャンは技能実習生として日本にやってきたが逃げ出してしまう。 その後は給湯器の窃盗など仲間と犯罪を重ねる日々。 ある日、他人の携帯を手に入れ身分を偽り、山形県のある「蕎麦屋」の仕事をする。 頑固だが優しい店主(藤竜也)の店で頑張る彼はその後何度も不法滞在者として追われそうになる…そんなストーリー。 偽った身分の名は「リュウ・ウェイ」。 店主にも娘にも「リュウ君」と呼ばれ可愛がられる。 拙い日本語で会話も難しかったが、共通の漢字を使って店主に教わるリュウ君。 中国から出てくる時は期待され、日本でお金を稼ぎ中国に戻って整備工場を建てる夢があったが、あっという間に夢は砕け散る。 そこには斡旋する中国側の高い金銭要求や、日本での劣悪な環境があったはず。 でも作品ではその辺は追求されず、彼が祖母や母に期待されている描写が多い。 厳しい祖母は「早く仕事をしろ!」と叱責するが、旅立つ時は衣服を選び、裁縫道具の中にお金を忍ばせて渡してくれる。 身体の弱い母も息子の様子が心配でならない。 結局、お金を持たせて逃がしてくれた店主が優しい共犯なのだが、逃げても何も解決しない。 それは残酷だけど当たり前のこと。 長年 技能実習生が劣悪な職場環境から逃げて犯罪を重ねる案件はある。 でも真面目に仕事をして故郷に帰る実習生もたくさんいる。 映画ではその辺の問題点はあまり描かれず、チェン・リャンと店主との関係に重点を置いた感じ。 実の息子と関係が悪い店主は「リュウ君」の存在に夢を見たのだろう。 ラストのシーン。 身分を隠していた彼が北京に留学した女性 葉月に「君の名は」と言われ本名を告げる。 自分のアイデンティティーが戻った一瞬でした。 構成は今一つ。 山形県の奥羽本線近辺のロケーションは美しかった。