レビュー
ちょっと考えてしまった。1972年に芳山和子は15歳であるのであるから、2010年では53歳ということになる。そうすると18歳のあかりを35歳で出産したことになる。和子は17歳で既にあかりのお父さんである長谷川と付き合いはじめているのだから、なんと15、6年もの間子供が出来なかったことになる。いろいろ事情もあることだから一概には言えないが、あかりは芳山姓を名乗っているところをみると、離婚したか、十数年付き合っている人との私生児となる。 この映画は、映画としての「時かけ」1983年の大林版と、2006年のアニメ版と双方に関係があると思われるが、映画全体にオマージュされているのを鑑みる限り、明らかに大林版の続編であろう。 原田知世という角川映画によって創出された稀有なアイドルの純粋なアイドル映画であり、大林監督尾道三部作・・ノスタルジー溢れるファンタジーでもあった傑作の続編であるのであれば、何故、設定もこの映画を踏まえて作らなかったのか? 大林版を踏襲して1983年に15歳であったと設定するなら、あかりの出産は24歳であり、何かの事情で芳山姓になっているのも無理が無いし、何より原田知世をそのまま母親役として使えるではないか。 安田成美に文句をいうつもりは無いが、一映画ファンとして、この点が非常に惜しいし、残念だ。 物語は、大林版がユーミンの名曲に乗せて、未来に希望を託したように、爽やかに晴れやかに終わるのに対して、本作は少しばかり悲しく切ないが、アイデアは非常に良いと思っただけに残念である。
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