レビュー
こじま

こじま

5 years ago

4.5


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インソムニア

映画 ・ 2002

平均 3.0

なんとなく観てなかったけれどノーラン熱があがり視聴。 朝と夜の“境目”がわからない白夜の空間、不眠により睡眠と覚醒の“境目”がどんどんと分からなくなっていく描写が、罪と無罪の境目がどんどん分からなくなって行く様子をメタファーしていて。そうか、理想の刑事で授業のテキストにもなっている偶像と証拠捏造をした実際の姿とが、経時にてその“境目”が曖昧になっている(不正が葬りさられていく)こともメタファーしてるのか! そのメタファーがゆえに、主人公・ドーマーの葛藤と苦心がシナリオ展開と映像以上に極めて重く苦しいものにしているのだなと。久しぶりに息が苦しくなるものを観た。 それがゆえに、ラストのドーマーの選択と行動に、人間としての尊厳に魅了された。最後にぼやけてしまった“境目”から抜け出し、意思で選んだ選択。 サスペンス・スリラーはあまり映画でもTVでも観ないのだけど、この映画はサスペンス・スリラーというシナリオ手法で、人間と社会の“境目”の曖昧さを表現した作品なのだと理解した。 これもまた、まさにノーラン・ワールドそのものであり、アクションやストーリー設定がごく日常の現実社会だけに、逆に迫力にあふれた作品だった!