レビュー
E-zone

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2 years ago

4.0


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プッシャー

映画 ・ 1996

平均 3.2

デンマーク、いい感じの空気感が出てますね。 イギリスでもフランスでもなく、独特な世界観なんですよね、デンマーク映画ってのは。 ちょっと冷たい空気が常に流れてて、薄暗い感じで、曇り、、、 闇があるとこがいいですね。 そこで、繰り広げられるドラッグの密売人プッシャーの話しですが、これが生々しい。 ドラッグの密売人といえば、なんとなく影でコソコソ売り捌き、元締めである頭は儲かるけど、末端でパシリやってる者は危険な橋を渡り歩いてると言う感じですが、まさにその通りで、主役のプッシャーも元締めに借金をしているので返さなければいけないから密売人としてドラッグを売り捌いているけど、いつ捕まるかもわからないのであまり危険な事はできないし、したく無い。 だけど、そうこうしてる間に、元締めから催促の連絡が入り、その金額がとんでもなく上がっている。そこでデカい山を持ちかけられた人に取引しようとするけど、実は囮捜査の刑事だったからやばい。相方と二人捕まり、一時的に勾留となるけど、その時持っていて、借金の当てにしようとしていたドラッグを証拠にならないように、捕まる寸前に捨てていたので、そのドラッグ代も自分が払わなければいけなくなってしまう。更に、相方が身元ややった事をバラしてしまってたので、タチが悪い。ちなみにこのあたりまで全く気づかなかったんだけど、この相方は若きマッツ・ミケルセンではないですか!演技も最近のイメージやcoolな紳士のイメージと全く違い、お調子者で少し痛い奴の役なのでこれは気づかないですね。笑 主役の方は、更にドツボにハマっていき、やる事なす事、全てマイナスに働き、借金は増えるし、元締めからの脅しは増えるしで気も狂いそうになってくる。それでもたえられるのは、ある種自分の人生観に納得しているからだとも思う。 そうでないタイプは自殺を考えてしまうくらいの状況だと思う。 自分と重ねた時、ドラッグを捌いた事はないけど、どんなに辛い事があっても、生きてりゃなんとかなるだろうと考えるけど、それに近い気がする。 逃げる事もできる。仕返しや最悪、元締めをやる事もできる。だけど、やらない。 それは怖いんじゃなくて、やってもあまり意味がないと理解してるからだろうと考える事ができる。 全体的に撮影はオープンロケなのか、街中での撮影などは、エキストラという感じではなく、止まってカメラを見ている周りの人達が多数見られたように思うので、お国柄そう言うものかとも思ったのと、デンマーク映画ってのは、街中を疾走するのが一つの決まりみたいなものかと、おかしくも思えてきた。 様々な手法は取り入れてあるけど、やっぱり基本的なデンマーク映画のベースは外さず、できるだけ状況を自然に表現すること、階級社会を受け継いでいること、時代背景や社会に対する反発なども少し含ませていると言うところ、など、しっかり抑えられていたと思う。 マッツ・ミケルセンが出てたのは、知らなかったので驚いたけど、シリーズで次の主役らしいので観てみようと思う。 こんな良い作品が埋もれてたのは知らなかった。 評価はかなり良い。