
なつみ
タコピーの原罪
平均 3.7
こんな腐ってる地球じゃ確かに上手く歩けないよね…。 別世界の生き物が、不思議な道具で不遇な子どもを助けにくるーーあらすじ自体は、ドラえもんと同じ。 なのに、のび太は劣悪な家庭環境で、凄惨ないじめを受けていて、ドラえもんは少し頭が足りない。 そのifが、転がって、空回って、悲劇になっていく。 原作がかなり話題になっていたのでとても楽しみにしていたアニメ化だったのですが、あれだけセンセーショナルな盛り上がりがあったのも納得の内容。 更に、原作を最大限に活かそうとするアニメ化の精度があまりに高すぎて、辛い内容が、更にダイレクトに心を抉る。 製作スタッフのインタビューを聞くと、本当にこの作品を大事にアニメ化したことが伝わってくる…タコピーの苦労も報われたっピね。 「鬱漫画」「鬱アニメ」と思って見始めたけど、決してそうではなかった。 秘密道具で子どもが助けられるハッピーな話ではもちろんなく、だけど、ただただ陰惨な現実が写し出されるだけの胸糞ドラマでもなかった。 しんどいながらもぐいぐい引き込まれるサスペンスな展開に、目が離せない。 そして、登場人物(タコ物)たちの被害と加害の2面的な描写に、視聴者側も「善悪の倫理」を試されている感覚に陥る。 「原罪」って、元々、人類が「善悪の判断をするようになってしまったこと」。 「どうすれば良かったの」「分からないっピ」 この最後のやり取りに全てが詰まっていて泣けてしまった。 「ハッピー」なんてどこにもなくて、全ては結果でしかないけど、1番大事なことは、最初からずっとタコピーが言っていたきれいごとの中にあった。 アニメとしての質もすごく高いので、自分の中で「誰にもオススメできないけど、オススメしたい傑作」になりました。