
Masatoshi
1 year ago

名探偵ポアロ ベネチアの亡霊
平均 3.3
アガサ・クリスティは本当に素晴らしい推理小説家であり、常人には考えられないような視点の持ち主であり、その余りある才能で魅力的な文章家なのは誰も否定出来ないでしょう。 だから、彼女のファンは世界中に数知れない訳で、自分も大好きな作家の一人です。灰色の頭脳の持ち主であるエルキュール・ポアロシリーズも何作か読みました。 ただ、これまで読んだ作品と言えば、自分は本当にミーハー(死語ですね)なので、有名どころの『スタイルズ荘の怪事件』『オリエント急行殺人事件』『アクロイド殺し』『ナイルに死す』などその他何作かです。 この『ベネチアの亡霊』は全く知らなかったので大したファンでもないですね。 その大したファンでもない自分としては、ポアロシリーズでのポアロの役割はあくまで狂言回しで、むしろ他の登場人物のドラマによって作品が成り立っていると言う印象を持っています。 何度か映画化もされていますが、本音を申し上げると、ケネス・ブラナーが監督している作品を観ながらワクワクした覚えはこれまで一度も有りません。 ケネス・ブラナーが、シェークスピア俳優としても、映画俳優としても素晴らしい稀有の才能の持ち主であるのは勿論なのですが、ご本人が作品を監督した時は、何だか、他の登場人物よりも彼の存在が目立ってしまう印象なのですよね。 特に、この作品では、ひとり一人の登場人物を丁寧に掘り下げていたらもっと重厚なドラマになったのにとか思ってしまいました。 とは言え、登場している方々の落ち着いた素材で作られている仕立ての良いスーツや素敵なドレス、当時の雰囲気など、やはり品の良さはさすがにケネス・ブラナー、観ていてとても楽しめました。