レビュー
原題は「Bruised」。 「痛めた」、「打ちのめされた」、「打撲傷」などの意味。 オスカー女優ハル・ベリーの初監督作品です。(Netflix作品) 総合格闘家だったジャッキー(ハル・ベリー)はある試合で逃げ出し衝撃の敗北と言われていた。 今のジャッキーは掃除の仕事をしながら酒を断てずに荒んだ暮らしをしていた。 そんな時に地下格闘技の試合に連れていかれ、怒りのあまり相手を倒す。 そしてその後 UFCのタイトルマッチに出ることになりジャッキーは再出発ができるか……そんなストーリー。 50代半ばになるハル・ベリーがまさに身体を張った作品で、トレーニングシーンや試合は見応えがありました。 常に「怒り」が発火点になるような闘いだけどジャッキーの抱えてきたトラウマの深さには気の毒になる。 ヤク中の母親に育てられた悲惨な過去。 今はアル中の同棲相手とのケンカも絶えず自身もアル中に近い。 スプレー容器に隠していたウォッカに手を出すシーンも多い。 そんなジャッキーの前に現れたのが別れて暮らしていた6歳の息子マニー。 実父を亡くしたショックで喋れなくなったマニー。 マニー役の子は台詞のない中、大きな瞳や表情で気持ちを訴える演技がうまかった。 ジャッキーのトレーナーになった「ブッタカン」ことボビー。 そしてボビーが消えた後にタイトル戦のトレーナー役を演じるスティーヴン・ヘンダーソンも地味に良い。 タイトル戦の対戦相手「レディ・キラー」は本物の格闘家で女子フライ級のチャンピオンだとか。 そんな本物と対等に闘ったハル・ベリーはとにかく圧巻でした。 最後、息子マニーに言われた「Thank You、BIG 」にきっと救われたジャッキー。 確実に前を見て生きていけると感じたシーンです。
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