レビュー
星ゆたか

星ゆたか

4 years ago

3.0


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ちいさな独裁者

映画 ・ 2017

平均 3.5

2022.2 スターチャンネルの無料放送を録画していたのを鑑賞。 1945年4月の敗色濃厚なドイツ戦線の混乱していた時期にあったという実話。 ドイツ・ナチスのユダヤ人迫害の歴史のドラマは数々あれど、これはたまたま脱走兵が大尉の軍服を身に付け成り済ました所から行われる、同じ人種に向けた虐待の汚辱絵巻。 主人公は部隊から脱走し、その逃亡途中で、前線の極限状況以上の飢えを体験し、そのために同じように脱走した兵士が、民家から略奪行動を起こし責め苦を受ける暗愚を見聞する。 だから最初は “保身” のために成り済ました “権威”の人格が、周囲のヒトラー総統を頂とする “狂気”の思想形成にエスカレートし、そこに “我執” してゆく。そこには人間の理性や良心の入りこむゆとりもない。 二十歳そこそこの若者の、あの当時の彼自身の生いたちや政治思想による環境による所も多いが、それにしても、むごい “無慈悲”だ。 彼と同じくらい、あるいはそれ以上、目を向けなければならない、一人、一人の人格と人生が、数々の愚行の犠牲に埋もれたのだ。 悲しいかな、その歴史は今もまだ世界の 各地で繰り返されている。あのラストのエンディング・ロールに込められた “現代”はそういう意味合いか?