レビュー
YOU

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4 years ago

3.5


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34丁目の奇跡(1994)

映画 ・ 1994

平均 3.5

2021年11月14日に見ました。

レス・メイフィールドが監督を務めた、1994年公開のハートフル・コメディ。 ジョージ・シートン監督の『三十四丁目の奇蹟』(1947)のリメイクである本作、脚本・製作はアメリカ青春映画の名匠ジョン・ヒューズが務めているとのこと。オリジナル版『三十四丁目の奇蹟』がめちゃくちゃ面白かったので、その翌日にこちらのリメイク版も早速観てみました。巷では「リメイク版もなかなか良い」という意見がよく散見されるのですが、自分も全く以て同感です。どちらが好みかと聞かれればオリジナル版と答えてしまいますが、こちらのリメイク版もなかなか好い線を行ってると思いますね。オリジナル版との比較で言えば、まずはジョン・ヒューズの参加によって「ジュブナイル映画」の色がかなり濃厚になっており、それによって作品全体のクリスマス感やファミリー映画感は圧倒的に増しました。加えて今回は物語的な善悪がかなりデフォルメされている分、話がより一直線で分かりやすくなっています。またクリス老人に関しても、今回のリチャード・アッテンボローはルックス含め明確にサンタクロースに寄せた造形となっており、彼が映るシーンは画的な納得度もググッと高まります。 ただ前述した「善悪の明快なデフォルメ」にはある程度の不満もございまして。個人的に今回最もいただけなかったのは「物語全体がはなから善寄り」だという事です。オリジナル版が非常に大人な味わいを醸し出している要因の一つに「登場人物のみならず観客までをも大いに揺さぶる語り口」が挙げられ、これにより我々のクリス老人に対する印象の変化がそのまま主人公たちの視点や物語的エモーショナルとも重なり、クライマックスの展開を一層盛り上げていました。しかし本作の場合は主人公たちの心境、更には作品の語り口までもが割と最初からクリス老人に寄り添った作りで、正直言ってこの物語が持つ一番の肝を外してしまっていると思います。他にも中盤で起こる暴力事件が勝手に解決していたり、大衆がいつの間にかクリスの味方になっていたりと、要所要所では脚本や構成の杜撰さも見受けられました。しかし、最後に追加された検事やライバル会社へのとあるフォロー、ここはオリジナル版『べスト・キッド』の超アッサリしたラストに対してリメイク版が独自に加えたあの上品かつ粋な展開にも通じる良さを感じました。自分はこういうフォローが一つあるだけでも評価が一気に上がってしまう!まぁ良くも悪くも観やすさは増していますし、クリスマス映画としてはこちらも十分に楽しめました。 裁判の決着に関しても、オリジナル版がストレートに納得出来る展開だったのに対し、こちらはよりアメリカ映画らしい決着でした。逆に言えば、アメリカ人以外は一瞬飲み込みづらい。