レビュー
劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲「焼け焦げるたましい」を原作とし、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督、脚色を務めて映画化された2010年のカナダ映画。 ・ 圧倒的だ。レバノン出身の劇作家の戯曲だけに、中東の民族・宗教紛争の悲惨さも描かれている。しかし、この物語はあくまで、壮絶な人生を歩んだひとりの女性と彼女の双子の子供たちの物語なのだ。 若き日の母親と、父親と兄を捜し中東にやって来た双子を交互に映し出す。そうやって少しずつ真実が明らかになっていくんだけど、その持って行き方が絶妙で、これはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督を褒める他ないだろう。 ・ 知っている俳優など登場しないが、どの俳優も演技が素晴らしい。変に有名なハリウッド俳優なんかが出演していたら台無しになっていただろう。 ・ 「灼熱の魂」というタイトルもいい。まさにこの母親の魂は燃えたぎっている。 ・ この映画の結末はショッキングだ。納得などできないかもしれない。消化不良で胃もたれしそうだ。でも、頭から離れない。その時点で、この映画の力に魅了されてしまったのかもしれない。
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