
ひろ

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
平均 3.6
スタンリー・キューブリック製作・監督・脚本によって1963年に製作されたイギリス映画 ・ アメリカ空軍の司令官が突如発狂!ソ連攻撃との命令で爆撃機が出発。一方ソ連には、水爆攻撃に自動的に対抗する爆弾が備わっていた。そんな中、両国首脳がホットラインで協議をするが、通信機の故障で事態は思わぬ方向へ…。 ・ キューブリック最後の白黒映画にして、ファンから「2001年宇宙の旅」、「時計じかけのオレンジ」と共にSF3部作と言われる作品。戦争をこれでもかってぐらいシニカルに描いたブラック・コメディの最高傑作だ。 ・ 心惹かれるタイトルクレジットから始まる映画は、新たなる戦争の危機を描いているのだが、なんだか笑ってしまう。BGMに使われる「ジョニーが凱旋するとき」の印象的なメロディも耳に残るが、有名なラストはあまりにもインパクトが大きい。不謹慎にも、美しく感じ、爽快な気分すら胸に残ってしまう。 ・ ストレンジラヴ博士、ライオネル・マンドレイク大佐、マーキン・マフリー大統領という主要な3役をひとりで演じたピーター・セラーズには脱帽した。同じ俳優が演じてるって、全く気づかなかった。完璧主義でアドリブを許さないキューブリックが、ピーター・セラーズにだけアドリブを許したからこそ、この映画は傑作になったに違いない。 ・ 特に、一番出番が少ないがストレンジラヴ博士の演技は最高。ドイツ人博士のお茶目な右手と台詞に大爆笑だったうれしい顔 ・ 鷹派の将軍タージドソンを演じたジョージ・C・スコットもよかった。キューブリックに「何度も同じ演技ができる俳優」と言わしめた。これは、キューブリックからしたら最高の賛辞だと思う。 ・ 邦題の「博士の異常な愛情」の部分は、ストレンジラヴ博士の名前だから、正確には誤訳なのだが、キューブリックが直訳しか許さないと言ったことを逆手にとって、魅力的なタイトルにした邦題としては珍しいパターン。 ・ もちろんカラーになってからのキューブリック作品も好きだけど、こういう時代にこんな傑作作れちゃうんだから、映画は技術で作るものじゃないっていうのを痛感した。