レビュー
話題作も今更鑑賞。すみません。カンヌで話題になったので、あらすじのみ知っていた、という作品でした。 まさにタイトル通り「父になる」でした。 「赤ちゃん取り違え事件」と、題材はかなりナイーブなはずなのに、母親目線、子供目線で描いてない故、終始淡々としていました。是枝監督の味だと私は思うのですが。 福山雅治演じる父が、どうにもこうにも良い父親と言えず、この事件を発端に自分が少し父親らしくなる、そういうストーリーだと私は捉えました。 なので、子供の気持ちと母親の気持ちはだいぶ置き去りな印象。私なら母親の気持ちをもっと出したくなってしまう。 みどり(尾野真千子)が良多(福山雅治)に対して、「慶多は私に似たのよ」って言うシーンがあるんですね。 これは、他人の子とわかり、優秀な自分(福山雅治演じる良多)に似ず、あまり優秀じゃない慶多の事を「頑張れない子」と決めつけた上に「どうして自分に似ないのか、そうか、他人の子だからか」と心のどこかで思ってしまった良多にみどりが言い放つんですよ。 この一言が私はとても印象に残りました。もちろん、みどりの実の子でもないんですよね、でもそう言い切れる母親なんですよ。 すごく愛に満ちていて、すごく慶多を大事に思っているんだと、もうそれが全てでいいじゃん、と思ってしまったセリフでした。 でも、そこをクローズアップしちゃうと「母になる」ですもんねー。 これは「父になる」です。子供と母親の目線から離して、福山雅治の父親目線で観る映画かと思います。
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