本編としては☆4.5だけど、エンドロールの映像で☆5！！ 前作みたのは、3,4年前で、その時はABBAの曲にハマり、大好きなコリン・ファースに興奮し、各キャストのユーモアに笑い、ストーリーも面白いしで大好きな映画の１つだった。 今作では、前作でちらっと触れられたドナ(メリル・ストリープ)の過去と、ソフィ(アマンダ・セイフリッド)の現在がカットで交錯する。その行き来の激しさが途中では気になるんだけど、最後の最後のシーンでそれがいきてくる。 一番驚いたのは、現在の時点でドナがもう亡くなってたこと。 過去ドナを演じたリリー・ジェームズは、本当の本当によく頑張ってたと思う。演技や歌の細かいところまでよく理解して演じてるのがわかった。でも、やっぱり過去ドナはドナじゃないと思う自分がいて。 今サム(ピアース・ブロスナン)が、過去ドナの写真を懐かしんで飾るシーンでは、「やっぱり違う」と思ってしまって胸がもがもがした。もがもが。 回想シーンを演じた人たちは皆、リリー・ジェームズと同じく特徴や人物の性格をよく理解して自分の中に落とし込んでいた演じていたと思う。その姿勢が嬉しい。特に、過去ハリーを演じたヒュー・スキナーは、コリン・ファース独特の口調や声音の再現が凄かったと思う。過去ハリーに言いたいことはただ１つ、ドナみたいな素敵な女性で童貞捨てられた君は幸せだ。 それでもやっぱり、前作から演じてる人たちに愛着があるので、その中にドナがいないのを寂しく思ってしまう。 後半になるにつれ、その思いは強くなるのだけど、後半に前作での曲を持ってくるのは、そういう点から、とてもよかった。個人的に、最後の”スーパー・トゥルーパー”で、一気に盛り上がりが最高潮になった感がある。 そのように前作の曲の使い方がとてもうまかった。前作のエンド・クレジットで流れたサンキュー・フォー・ザ・ミュージックを今回のソフィに歌わせることで、時間流れと連続をより実感させられる。 ソフィが前作の冒頭で歌っていた”アイ・ハヴ・ア・ドリーム”を新しい人生を思い描く過去ドナに歌わせるというのもじんと来るものがあった。 感動といえば、サムがドナと歌った”SOS”を、今回はサムが独りで歌うシーンもそうだ。短いながらも、寂しく、独特のハスキーな歌声は必聴である。 曲のことについては、パンフレットにさらに詳しい情報が掲載されている。もちろん鑑賞前に買った。買うっきゃない。 ストーリーのことで驚いた点をもう１つ。 前作のラストで、ロージーがビルに熱い思いの丈を伝えていた。そのロージーの恋心過去からのものであったというのは健気でいじましくはないだろうか。 ターニャは相変わらずで(笑) 登場シーンのほとんどを、お酒の入ったグラスを手に持っているがもはや安心する。そして相変わらずの美脚っぷりに驚く。 ドナ、ロージー、ターニャの、息の長い変わらない友情と絆の深さに思いを馳せて、じんとした。”チキチータ”めっちゃ聞きたい。 予告から注目していたのは、ドナの母親、ソフィの祖母であるルビーを演じるシェールだ。個人的に大ファンで、『バーレスク』と『月の輝く夜に』は『マンマ・ミーア！』と並んで大好きな殿堂入り映画だ。 登場からすごいブルジョワジー全開なルビーはシェールにぴったりで。登場シーンで心の中で叫んだ。シェール様キター！！！！！！！シェールが歌うだけでもうやばいっす。 教会で、ドナ(メリル)が現れた時、ルビーが、ドナの方を見ていたように思ったのは、演出なんだろうか。もしかしたら都合のいい見間違いかもしれないが、そうだといいなと思う。冒頭からずっとずっと、会いたかったドナにソフィだけじゃなく私も会えた。 ”マイ・ラブ、マイ・ライフ”で、思い巡ったのは、ドナの人生についてだ。ドナの人生は前途多難なものではない。けれど振り返ってみれば大切なものがこんなにたくさんできた、と思えるものだった。その人生がソフィや、ソフィを取り巻く人々の現在に繋がっているのが、もう。もうね。 そんなこんなで、すでに涙はぽろぽろ溢れていたが、スーパー・トゥルーパーの歌い出しをシェール様がしてくれて、涙腺が決壊した。どばどば泣いた。しゃくり上げるほど泣いて、現在のキャストと回想シーンのキャストが入り乱れて歌うのにも泣いて、それから笑った。メリル・ストリープのダイナモスが見たかったし、おじさんずの例の衣装がもう一度見たかったし、全部夢が叶った。 多分落ち着いてみれば否定的なところも出て来るのかもしれないが、見終わってすぐの感想は以上だ。 ここまで読んだ人がもしいたら、その人はすごいと思います。とりあえず前作が観たい。そしたら、もう一回観に行こうかな 2018.08.24 桟橋のおじさんとビルのその後がきになる