レビュー
コウキマン

コウキマン

3 years ago

4.5


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アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台

映画 ・ 2020

平均 3.5

2023.1.25.011 M.Sth ネタバレあり 1980年代、スウェーデンで起きた実話がベース。映画の舞台はフランス。刑務所の囚人更正プログラムの一環で演劇を教えることになった、売れない舞台俳優エチエンヌ。 エチエンヌは、サミュエル・ベケットの書いた不条理劇“ゴドーを待ちながら”を演目に決め、囚人たち5名に指導する。これは劇場で演じることとなり(当然刑務所内ではなくシャバ)、囚人の関係者らや一般客が観劇しメディアなどで高く評価された。 高い評価を得られたことで追加公演の依頼がチラホラあり、囚人たちは次の舞台へ。ときには「逃げよう」と提案する者も現れるが、賞賛を受け自己肯定感が上がり自信を持った囚人たちは逃げることをせず、次々と舞台をこなす。しかしそこは囚人、素行は悪く度々問題行動をとる。これは舞台後に行われる身体検査へのフラストレーションもあった。 とある問題行動をきっかけに、刑務所長はこの更正プログラムの中止を検討するが、エチエンヌの強い希望により続行することに。 そしてついにパリの伝統あるオデオン座での最終公演が決まった。プロの俳優でも立つことが難しい大舞台に、エチエンヌも囚人たちも興奮する。そしていよいよ大舞台当日。 意外な結末に、“ゴドーを待ちながら”を書いた作家ベケットは、手を叩いて喜んだという。 【ゴドーを待ちながら】 二人の男が“ゴドー”を待っている。そこに現れる富豪と奴隷。なんてことないやり取りをして、去っていく富豪たち。二人の前にゴドーはまだ現れない。ということが延々と続く話だそうだ。“ゴドー”とは“ゴッド(神)”、ゴッドとは“明日”であったり“自由”であったり“希望”であったり、はたまた“変化”であったり?二人の男は“ゴドー”が何かわからず、ひたすら待ち続けるといった内容だそうだ。 エチエンヌは「囚人はずっと待ってる。食事の時間を、運動の時間を、釈放のときを。これは彼らにピッタリの演目だ」と思い、これを演じることにしたそうだ。