レビュー
てっぺい

てっぺい

7 years ago

3.5


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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

映画 ・ 2018

平均 3.3

【明るい難病ジャーナリズム】 大泉洋の演技とキャラ、原作力と製作陣の作り方、個々の相乗効果で終始明るい。難病の事を笑って知れる、存在価値の高い映画。奇跡の実話に副題負けしない展開の面白さもマル。 ◆ 実在の人物・鹿野靖明さんの人間ドラマ。大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞した書籍が原作。監督は「ブタがいた教室」の前田哲。出演は大泉洋、三浦春馬、高畑充希ら。大泉洋は役作りのため、マックス10キロの減量をしたそう。 ◆ 医学生・田中はボランティアとして、筋ジストロフィーを患う鹿野と知り合う。ある日、新人ボランティアの美咲に恋心を抱いた鹿野は、ラブレターの代筆を田中に依頼する。しかし、実は美咲は田中と付き合っていて……。 ◆ 終始明るい映画。大泉洋の演技、というかキャラクターも手伝い、実在の人物のキャラもあるのか、原作の書かれ方、製作陣の作り方も含めて、終始明るさに徹していたところがまずよかった。 加えて、当然ながら筋ジストロフィーという病のジャーナリズムがしっかりなされている点も素晴らしい。たん吸引の方法や筋ジストロフィー患者の性に至るまで、隠す事なく丁寧に説明されていた事が、この映画の存在価値をグッと上げていると思う。 ◆以下少しネタバレ◆ 奇跡の実話という副題に劣る事なく、公開プロポーズしてしまう主人公や、その主人公が繋げた結婚、人工呼吸下でも声を取り戻したり、映画の展開としても十分面白い。ましてやこれが実話なのだから、本当に奇跡の話だと思う。 “患者とボランティアは対等”だという考え方が、押し付けがましくなく伝わってきた。親に一切介護をさせず、自分の人生を生きて欲しいと言う主人公の思いや、ボランティアの事を略称で呼んだり、ワガママ言いたい放題だったり、賛否が分かれるところかも知れないが、ボランティアの立場、患者の立場それぞれを実に自然体に見せてくれていたと思う。“あの人のワガママは命がけなんです”“鹿野ボラをナメないで”、まさに主人公を取り巻くボランティア達が家族同等な事が伝わる、言葉の数々が胸に響いた。 期待を裏切らない、ほっこり明るい映画でよかった!