
ジュネ

ガリーボーイ
平均 3.7
2019年228本目はインドのラップシーンをテーマに展開するサクセスストーリー、『ガリーボーイ』。 -------------------------------------------------- インドの音楽と言えば映画でも盛んにお目にかかります、陽気なミュージカルのイメージが非常に強く、ラップと言われてもまるでピンと来ません。ところが音楽に全く門外漢の私でも分かるくらい、『ガリーボーイ』に登場する楽曲は「USA」でも「UK」でもなく、「インド」のラップが持つ魅力を最大限に発揮しています。また、日本人にも伝わりやすいようリリックの言い回しが見事に工夫されており、字幕担当の藤井美佳・鑑修のいとうせいこう両氏の苦労が忍ばれます。 -------------------------------------------------- インドではまだまだ格差が激しく、この映画の元となったNaezyさんもスラムの貧民街出身。ガリーボーイが「路地裏の少年」を意味する通り、ムラドを取り囲む環境は劣悪そのものです。特に『シークレット・スーパースター』でも強調されたように、女性の人権を剥奪しその命令を絶対とする家父長制度の存在が諸悪の根元と言っても良いでしょう。ムラドの父親に対してはホントに腹が立ちましたし、こいつが許されることが許せなかったですね。 -------------------------------------------------- 途中の三角関係の下りで時間を取られ過ぎたために、肝心のサクセスストーリーの勢いが削がれてしまい、どうしても二時間半は長過ぎる気はしました。それでもムラドの行き場のない怒りがラップに形を変えて炸裂する下りは爽快感満点ですし、これまでとは違う新たなインド映画の形を目にすることができると思います。