レビュー
邦題は「ディア・ファミリー あなたを忘れない」です。 娘と一緒にシカゴの実家に帰ったブリジット(ヒラリー・スワンク)。 実家には認知症の母を世話する父、そしてそばに住み両親を手伝う弟ニッキー(マイケル・シャノン)が居た。 母の今後を考え、向き合う家族のヒューマンドラマです。 「施設に入れた方がいい」と言う弟ニッキー。 家で面倒を見ると頑なな態度の父。 その間で迷う姉ブリジットは夫婦関係が冷えきり、娘エマとの関係もギクシャクしていた。 親の介護問題がテーマですが、それぞれの気持ちがよく分かるし、認知症だけどたまにまともになる母の言葉もなかなか奥深い。 今回良かったのが弟ニッキーを演じるマイケル・シャノン。 自分の夢をあきらめ、長年のパートナーとも結婚に踏みきれず、自分の店でもあるBAR🍷の経営にいっぱいいっぱい。 父はずっと姉をひいきしてきたと思い込むニッキーは「拗らせ」かも知れないけど、無力感のある弟役を好演。 無精髭のニッキーの何気ないやり取りが良くて、マイケル・シャノンって普通の役がうまい! BARに来た父親にカクテル「マンハッタン」を誉めてもらうシーンが好き。 さて、物語は意外にも父の急逝からテンポアップ。 「誰のお通夜?」と聞いてくる母だけど「完璧なタイミングだった」「もっと遅ければ彼を忘れ去っていた」云々の言葉。 寂しくなるけれどこれがきっかけでブリジットは「今度は私の番」と言い、母に連れ添う決断。 ここからがブリジットの人生の再スタートになるのです。 ありがちなテーマではあるけれど、それぞれの気持ちをぶつけることで前に進める結果は良かった。 何だか一番幸せなのは長年連れ添った父と母かもしれない。 経済的心配や、施設の入所困難問題はなく幸せなお話でもあります。 と言うことで、マイケル・シャノンの魅力に気付かされた作品でした。 ちなみにブリジットの娘エマ役がタイッサ・ファーミガ。 あのヴェラ・ファーミガの歳の離れた妹でした。
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