レビュー
マーブル紙を作る工程だろうか、オープニングクレジットからアルモドバルの世界に没入する至福。そのインクの織りなす色の数々は、登場人物たちの衣装や主人公の部屋の現代絵画の極彩色とあいまって、主人公の記憶の彩りを象徴しているよう。 アルモドバルの作品になくてはならない強くてしたたかでそして美しい「母」への深い尊敬と慈しみ、また、身体のよじれるほど狂おしい恋の哀しみ。痛みを持って過去に対峙し、膿を出し、そして赦し合う。年月を経たからこその、再生の道筋。 現代と過去を自在に行き来し、そしてラストシーンに行き着いた時、まるでその映画を創造する過程を見せられていたような錯覚を覚える、にくい作り。 アントニオ・バンデラスは「私が、生きる肌」ではあまりにギラギラしていて辟易したけど、今回は静謐な哀しみや愛情を細やかに演じて本当に素晴らしかった。 あ〜〜〜アルモドバル、やっぱり大好き!!!
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