レビュー
へちょび

へちょび

3 years ago

4.0


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イニシェリン島の精霊

映画 ・ 2022

平均 3.5

アカデミー賞確実との呼び声高い本作。鑑賞すると、なるほど確かにアカデミー会員が評価しそうなタッチで、なかなかに難解で陰鬱な雰囲気の作品でした。 作品の雰囲気は同監督の前作「スリー・ビルボード」に非常によく似ています。ある日、何もない田舎町に小さな綻びが生まれ、だんだんと不穏な雰囲気が立ち込めていき、やがて島(町)全体を巻き込む騒動へと発展していく、みたいな感じですね。そういった雰囲気のお話が好きな方であれば、難解な所は関係なく、まず普通に楽しめると思います。 また、物語の舞台は1923年のアイルランドで、登場人物2人の喧嘩がアイルランド内戦の縮図になっているので、その辺の理解があった方が良いとは思います。映画好きとしては、その辺は映画で補完したいところなので、私は「マイケル・コリンズ」や「麦の穂をゆらす風」等のアイルランド映画を観直してから参戦しました。 その辺りを押さえて万全の状態で今作に臨んだのですが、やはりなかなかに難しいんですよね。巷では、「あれは同性愛を描いて映画だ」とか「障害者と、その家族や周囲の人間を描いた映画だ」とか諸説ありますね。個人的には、もう少し歴史や宗教の視点から考察したいです。コルムもパトリックも聖人の名なので、ではどこかに他の聖人もいるのかとか、キリスト教とドルイド教の関係はどうなんだとかですね。しかし、自分の知識が足らないので、まだスッキリした答えがでるには時間がかかりそうです。 といった具合で、考察好きな人は捗ると思いますし、歴史や宗教・LGBTや社会問題など、多角的な観点から観られる面白い映画だと思います。アカデミー賞も有力らしいので、とりあえず観ておくべき作品かもしれません。 2023/4/6追記 アカデミー賞何も獲りませんでしたね(笑) 誰だよ、確実とか言ってたヤツ(笑)