レビュー
cocoa

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4 years ago

3.5


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イーダ

映画 ・ 2013

平均 3.5

原題も「Ida」。 1960年代初頭、ポーランドの修道院に暮らす18歳のアンナ。 修道女として誓願する日を前に、たった1人の叔母ヴァンダに会いに行く。 そこで知った自分の本当の名は「イーダ」。 そしてイーダの両親のお墓を求めてヴァンダと旅に出る…そんなお話。 パベウ・パブリコフスキ監督作品では「COLD WAR あの歌、2つの心」が大好きですが、こちらもモノクロの静謐な映像はとても引き込まれました。 戦争孤児だったイーダは幼い時から修道院で育ってきた。 敬虔なクリスチャンとして生きてきたイーダは最初は叔母に会うことも乗り気じゃなかった。 しかし叔母から知らされる両親のこと。 両親も(イーダも)ユダヤ人で匿ってもらったシモンという男の現在。 シモンの息子に案内された埋められている森。 深い穴の中には両親の骨と、なんとヴァンダの息子の骨まであるのです。 ホテルに戻ってお酒を煽るヴァンダ、そしてヴァンダのとったその後の行動が痛ましい。 いつも静かに物事を見ていたイーダがヴァンダの葬儀の後、ドレスを着てハイヒールを履き、バンドのサックス奏者と一夜を共にするのです。 煙草を吸うことも初めての経験だったイーダはどんな気持ちだったのか。 しかしその後にいつもの修道服に着替え、俗物の世界から修道院に戻るのもイーダらしかった。 当時のポーランド人の罪、そしてユダヤ人の戦争で受けた深い悲しみを画面いっぱいに感じられる、そんな作品で、モノクロ映画がこんなにも美しいとは…。 自分の出自を知って生きること、俗な世の経験をしたことがイーダにとってこれからの人生の覚悟に思えた。