
hanako

教皇選挙
平均 3.7
2025/3/23 教皇を決める選挙(コンクラーベ)。閉ざされたシスティーナ礼拝堂で行われる秘密の儀式の舞台裏×ミステリー。 システィーナ礼拝堂と宿泊施設と食堂くらいしか舞台転換がないのと、登場人物の大半が同じ服装のおじさんの絵面なので、非常に重厚感のある(ある意味地味な)映画でした。ただ、退屈はしない見応えありな作品(この俳優陣だし、相当気合の入ったセットだし、そりゃそうか)。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆【微ネタバレ】 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 全ての組織や社会に通じる普遍的な話に感じました。誰もが自分の地位や権力のことばかり考え、その為に人を陥れたり根回ししたり買収したり…教会に限らず、どこの世界でもやってることは同じだなと。 そしてこの映画の肝は終盤に起こる2つのドンデン返し。特にラストで明かされる真実は、「そうきたか…!」とね。 でもこういう展開に至るまでの伏線は結構張られていたな、と振り返れば思う(ダイバーシティに関するベリーニのセリフとか。ローレンスのスピーチとか。)。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆【しっかりネタバレ】 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「教皇なんてなりたくないよね~」って話してたのに、教皇の座が本当に手に入りそうになると満更でもないベリーニとローレンスが人間丸出しで笑える。ローレンス、ノリノリで教皇名考えてたじゃん!笑 ベリーニ、ローレンスが得票して怒ってるじゃん!笑 圧倒的な権力と名声は人を狂わせるのか、閉ざされた空間にいると判断力が鈍っていくのか。最後ベニテスが教皇に選出されて、拍手を贈る枢機卿達の顔が映るのだけど、ローレンスの表情がなんとも言えないんですよね。ちょっと怒ってる?ように見えました。 ローレンスが遂に自分の名前を書いて投票した瞬間、爆発が起こってシスティーナ礼拝堂の窓に穴が開くのはうまい演出ですね。まさしく教会という閉ざされた世界に「神風」が吹いて「風穴」が開く。ローレンスは「教皇の器ではない」と神の審判を下されたような印象的なシーンでした。 ◆ 前教皇が得意としていたチェスについて、「彼は常に8手先を考えていた」というセリフが序盤あった。このコンクラーベ中に起こったすべての出来事が、前教皇の描いたシナリオの通りだったとしたら…死してなおチェス盤を操る彼は一体何者だったのだろうか。 ◆ 「信仰とは」「疑念を持ち続けろ」といったセリフも多くて、最近ドはまりしていた「チ。-地球の運動について―」に通ずるテーマを感じながら観ていたら、映画公式サイトに魚豊さんもコメントを寄せていてちょっと嬉しくなりました。