レビュー
レビュー
ジュネ
star2.0
2020年55本目は、スーパースターと少年の知られざる秘話を描くドラマ『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』。 ------------------------------------------------------------ 若くして天才と称されたグザヴィエ・ドランの最新作で、彼が初めて全編英語の撮影に挑んだ作品です。ところが、いつもの芸術的なカメラ回しや、印象的なセリフ・演出によって深読みしたくなるストーリー、そしてつい感情移入させられてしまうキャラクターの立て方などが皆無で、監督の良さが完全に失われています。アメリカ向けだからといってそんなに大味にする必要はないと思うのですが…。 ------------------------------------------------------------ 例えば冒頭でドノヴァンが出ているドラマを見ながらルパートが「アメイジング!Wow!」って大騒ぎするんですけど、それがめちゃくちゃわざとらしくて冷めます。後半でドノヴァンがスタッフに殴りかかるシーンも大仰ですし、彼の自殺の理由がドラッグと同性愛というのも「いかにも」という感じで、いくらリヴァー・フェニックスに捧げる映画とはいえ、もうちょっと他に無かったのかと思います。 ------------------------------------------------------------ 第一、当時の話を自伝として出版してるのに、わざわざ記者を呼んで同じ話を1から聞かせる意味が分かりませんし、ドノヴァンがたった11歳の少年に文章でこんな生々しい話を伝えるわけがないので、途中で嘘が混じってるんじゃないかと疑心暗鬼になってしまう。そもそもにおいて話の作りが相当アンフェアです。途中で使われる音楽も展開とそぐわず、全てにおいて「ぎこちなさ」を感じます。 ------------------------------------------------------------ ドラン監督の映画が酷評の嵐で大赤字に終わったと聞いたときちょっと信じられなかったんですが、これは仕方ないかもしれません。
80