レビュー
上には雪 下には炎 ずっと気になってたけどグゲゲゲゲとかいう秀逸過ぎるパッケージのせいで先延ばしにしてたやつ。というかグゲゲゲゲってなんなん?そんな場面全くなかったんだけど…ちょっとだけグゲゲゲゲ期待してたのに…😭 原作があるのかどうかは知らないけど、めちゃくちゃ『IT』しててビックリ!30年スパンというだけでなく、時代を経て人も世代も代わっていくのに、遥か昔に起こった事柄は秘匿されたまま永遠に受け継がれ、それとともに人の性質も変わることなく受け継がれる。デリーと同じ。あの街にはきっとイットがいたんやろね(笑) 封殺された人の想いを押し込めて永遠に閉じ込めるかのような厚く重たい雪景色。吹き荒ぶ風も表面に積もった粉状のものしか巻き上げることは出来ず、長い間燻り続けた無念の火は時間の経過とともに真っ黒な燃殻となって地下に眠り続ける。そして決して消えることのないソレは、人の心の中にある直視してこなかった感情へと変貌する。 生者と死者の垣根を取り払うかのような本作は、二度のタイトルコールにも象徴されるように死との関わり合い方についての二面性(多面性)を提示する。冒頭では、妻の目には泣き腫らした跡が見受けられ、外と中で別々に飲む夫婦、典型的な4人家族を映すテレビ番組とそれを見る2人と言ったように死に取り憑かれることで崩壊寸前の危機にある家族を映し、そこから倒れる息子の写真で『We are still here』のタイトルコールが入る。でも、もう一度入るタイトルコールでは同じ文言でありながら受ける印象がガラッと変わってる。この辺りが本作のキモなんだろうなって思った。 冒頭のタイトルは燻り続ける崩壊の火種として対象を捉えた『We are still here』なのだろうし、もう一つの方はよりポジティブに、かつ悲観的な感情を取っ払う温かいものとして受け取れるように思う。どちらも意味も対象も何ら変わってないにも関わらず、大きな違いをもたらすのは結局は彼方とどう付き合っていくのかってこと。こちら側の向き合い方・態度によって、彼方からの返答は変わってくるし、それは結局は自分の心の深層とのコミュニケーションなのであって、生者と死者を画面の両端に配置した写し鏡のような構図での両者の対話がそれを一番物語っているように感じた。 そして何よりの見どころはジャンルを越境してくる後半以降の展開。もうちょいじっくり見たかったけど、なかなかハイテンションなドタバタで見ててめちゃ楽しかった。ナイフを一気に三本首にぶっ刺すとこなんて初めて見たわ(笑)『ライト/オフ』の完コピのような照明のオンオフの恐怖演出も面白かったし、「俺に幽霊信じさせたら大したもんですよ」とか何とか言ってたオッサンが速攻で手の平クルーするのはお約束過ぎて笑った🤣というか製作年的に短編の『Lights Out』から影響受けたのかな? そんな評価高くないけど、なかなかの良作なんじゃないかなって思った。パッケージの罪は重いっすね…😱
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