レビュー
dreamer

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2 years ago

4.5


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キリング・フィールド

映画 ・ 1984

平均 3.6

カンボジア動乱の只中。取材を続けるアメリカの特派員。そして、彼を助ける現地出身の男性。 アメリカ軍の撤退から、クメール・ルージュ軍の選挙、さらにベトナム軍の進攻。 そこに残った特派員が見た、革命の現実。彼は命の危機を助手の凄まじい努力で切り抜ける。 しかし助手は、現地人という事で引き裂かれ、特派員はアメリカへ帰る事になる。 その時から、助手の決死のさすらいが始まる。泥の中に突き飛ばされ、銃口にさらされ、汚辱にまみれながらも、彼は生き抜いていく。 この描写は、とにかく凄い。人間の本当の自由とは何か、人間にとっての政治とは何か。 アメリカの立場でも、クメール・ルージュでも、ベトナムの立場でもなく、人間の目で見据えて、観ている我々に怒りを伝えてきます。 この映画の題名である「キリング・フィールド」、つまり"殺戮の広野"とは、人間の心にあるものなのか。 この映画の製作は、「炎のランナー」のデイヴィッド・パットナム。監督は、TV出身のローランド・ジョフェ。 やがて、特派員と助手がアメリカで再会するラストは、確かに甘いと思う。 しかし、それは人間を無視した政治に対する逆の表現なのだろう。 二人の友情を通して、この映画の作り手たちは、人間の未来への祈りを伝えたかったに違いありません。 それにしても、助手を演じたハイン・S・ニョールがいいですね。 実際のカンボジア難民のお医者さんで、演技ではない体験からの訴えが、深く、深く、私の心に沁みました。