レビュー
星ゆたか

星ゆたか

1 year ago

4.0


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スケアクロウ

映画 ・ 1973

平均 3.5

2025.3.1 追悼💫ジーン·ハックマン様 1973年カンヌ映画祭グランプリで。 日本のキネマ旬報ベストワン作品にも関わらず。 アカデミー賞には一部門もノミネートすらサレナカッタ映画⁉️。 主演のジーン·ハックマンは71年に「フレンチコネクション」(ウィリアム·フリードキン監督·作品·脚色·編集賞)主演男優賞。 共演のアル·パチーノは「ゴットファーザー」(72年)で助演男優、本作品年では。 「セルピコ」で主演男優賞のノミネートになっている。 海外での評価と米国での評価にズレがあった。 いわゆる“遅れてきたニューシネマ”的扱い。 「真夜中のカーボーイ」(69年)の“男二人組の友情もの”映画。 二番煎じ感覚であったのかも知れない。 伝統的なアメリカ荒野の放浪(約3200kmの旅程)と男の友情物語は国内より国外の方が受け易かったのだろう。 ちなみにジーン·ハックマンのこの時期のパニック映画大ヒット作「ポセイドンアドベンチャー」もベスト5位に入っている。 当時、ジーン·ハックマン42歳(188cm)。 アル·パチーノ32歳(167cm)。 無口で短気すぐ腕力で物事にあたる大男と。 常に冗談軽口でおしゃべりの小男の凸凹でこぼこコンビ。 暴力事件での数年の刑務所(カリフォルニア)生活から出所。所内で貯めた二千数百ドルを元にピッツバーグで洗車場を開く予定のマックス(ジーン·ハックマン)。 一方妊娠中の妻をおいて海軍生活から5年ぶり。 生まれているだろうの我が子へ土産の電気スタンドを抱え。 その間何の音沙汰なしの自分を。 果たして『許してくれ待っていてくれてるだろうか?』と不安げなライアン(アル·パチーノ)。 そんな二人が砂塵舞い上がる寒空の下の道端で。 マックスの葉巻にライアンがマッチで火をつけた事から始まる。 なるべく金を掛けない(かけられない)放浪旅で変わってゆく互いの言動。 そして友情が育まれていく。 題名の『案山子』に込められた意味は。 無口で腕力勝負で、何枚も重ね着で自分を“防御”していた大男が。 おしゃべりな軽口で内心の不安を“守って”いた小男、つまり案山子のような男の影響で。 『カラスは案山子を怖がってよってこないんじゃなくて。自分たちを笑わせてくれて、アイツはイイ奴だから近付かないでいよう』とする。 言わばライアンの生き方に感化されて。腕力だよりだったこれまでのマックスの今後の生き方、心の持ち用を。 示唆するような意味合いが込められている。 だからあのマックスが酒場でまた喧嘩騒ぎを起こそうとするので。 去って行こうとするライアンを彼は引き止めたくて。 心も防御していた、重ね着の一枚一枚を脱いでストリップまがりの行動を起こす所や。 最後の決断。 ライアンの(ある)現実からの[早発性痴呆症]発症。(待っていて欲しかった?の妻子は、再婚で冷たい反応が?!) の治療費に。 貯めこんだ、洗車場用金を使おうとする心替わりになるのだ。 そこでの貯金を友人の為に払い下げする移動行為。 飛行場で切符を買う金を靴下の中から取り出し、靴をボンボンと打ち付けるシーン(まさに案山子)も忘れ難い。 カメラマン出身のジェリー·シャツバーグ46歳の時の代表作である。 シネモービル方式と言われた。 一台の大型バスに撮影機材を積み込み、ロケーション主体の効率化したシステムだそう。 かなりの強行軍で朝5時に撮影出発、帰りは真夜中。 大吹雪中の寒風、砂漠での酷暑等。 俳優も役に介入するスタイルの違うハックマンとパチーノの中での作品作りだったそうです。 最初に見た頃は静岡の沼津に住んでいた時期で、とても感動し、熱い気持ちで家路を歩んだ想い出の映画です。