レビュー
映画の構成はよく3幕構成って言われますけど、この映画の3幕はユニークで、ジョブズがかつて行った製品発表会のうち3つの、しかもその直前のみをぶつ切りで描きます。トリッキーです。演劇っぽいです。 アーロン・ソーキンが情報を凝縮して書いた膨大な台詞を、ダニー・ボイルはスタイリッシュな映像で小気味よく見せていきます。なかなかのグルーヴ感です。そのなかで浮かび上がってくるのは、ジョブズの複雑な人間性。なかなか父親にもなりきれず、プログラムコードも書けず、自分のポリシーのために人を傷つけることを厭わない。彼は何者だったのか。彼は何を求めていたのか。悲しいかな、誰もがその人としてしか生きられないけれど、それでも、何か希望めいたものを最後に描いて映画は締めくくられます。そこに、少し泣けます。
いいね 25コメント 0


    • 出典
    • サービス利用規約
    • プライバシーポリシー
    • 会社案内
    • © 2024 by WATCHA, Inc. All rights reserved.