転々と放浪生活を送る若者のホームレスが、ひょんなことから暫く空き家と化した豪邸に忍び込んだことで、人生を大きく変えるサスペンスドラマ。 通常こんな設定ですと豪邸に戻ってきた一家と、そこに立てこもる犯人とが殺しあいを繰り広げるソリッドシチュエーションスリラーになるんじゃないの？と思うかもしれません。ところが本作はそこからガブリエラ・ワイルド演ずるヒロインの人生にスポットを当てた青春ドラマへと変貌し始め、少々面食らってしまいました。 確かに意外なストーリーで面白いと思いますし、終盤では彼女を人間的に成長させ反省させているので、努力を認めてあげたい気持ちにはなります。しかし、それにしたってあまりに犯罪者に都合のよいサクセスストーリーで、ご褒美を与えすぎだろうと腹立たしさを押さえられません。 また、銃撃戦での妙なスローモーションや、セックスシーンを静止画の連続で見せるなど変な演出が目立ち、監督が自分の奇抜なセンスに酔ってる感がひしひしと伝わってきて正直引いちゃいましたね。