レビュー
水色ふうせん

水色ふうせん

4 years ago

5.0


content

麒麟がくる

テレビ ・ 2020

平均 3.5

大河を初めて見たのですが、こんなに面白いものだったとは!元々歴史が好きで、南北朝時代が1番好き。 逆に織田信長さん辺りの時代をあまり知らなくて、そうだったんだぁと思う場面が多々ありました。 特に、明智光秀と帰蝶様ってこんなに親しかったとは。 実際のところは分からないみたいですが、信長協奏曲という別のドラマでは全くそうでなかったので新鮮でした。 帰蝶様。川口春奈さんも素敵ですが、沢尻さんの帰蝶さまも見たかったなぁ。尾張に行ってと明智光秀に言われるシーンなんて特に! 信長と一緒になってからも共に戦っていて、美しかった。 最終回あたりの「私はそう答える父が大嫌いじゃ」この時の口の歪みの美しいこと。 川口春奈さんって正直お芝居が…と思っていたのですが、帰蝶様は素晴らしかった。 信長協奏曲とは全く違うキャラクターたちで面白かった。柴田勝家、浅井長政、お市など。 浅井長政とお市ペアは完全に信長協奏曲の勝利です。高橋一生さん圧巻なのでぜひ。 細川ガラシャと呼ばれるたま、壮絶な最期を遂げるとは。 足利義輝さん、三淵さん、細川藤孝さんも良かったなぁ。上手くいかなかった義輝さんですが、光秀が主君として認めたお方。 三淵さんも無念の中最期を遂げられて。藤孝さんはドラマでは描かれなかったけど光秀の最期に大きな影響を及ぼす方で。 今まで名前すら知らなかった方々に出会えたのが嬉しい。 歴史は面白い。 何百年も前の人と繋がれる。ちょっとしたきっかけで。それって、必然。 彼らのした選択によって歴史が残り、 私のした選択によってその歴史を知り、何百年の時を超えて繋がる。こんなロマンチックなことない。 明智光秀さん。 めちゃくちゃ好きになりました。 平らな世を作るために奮闘した。 「麒麟」とは、平和な世、聖人君子が現れた時に出現する獣。 本能寺の変は謎が多いけど、ドラマのように。色々な人のちょっとした言動で明智光秀の心が動き、平和な世のために信長を討ったのかなぁと。 その時代では逆臣として人生を終えましたが、今思えば麒麟を呼んだのは明智光秀なんだとハッとさせられた。 ・本能寺の変によって力で世を作ろうとしていた信長が消え ・信長を討ったことで豊臣秀吉が全国統一を果たし ・徳川家康との関わりがあったことで、徳川家康が明智光秀の目指した平らな世を実現した 徳川の世へ導いたのは、間違いなく明智光秀。今まで私も教科書にのっている事実しか知らないから、逆臣という見方だったけど。 誰も信長を倒す勇気がなかった中で、己の心に従って主君を討った。なかなかできることじゃない。 そして、足利義輝様や足利義昭様、帝とも関わりがあったのも驚き。 ドラマでもそうですが、中盤は貧しく、明智光秀が主演とは思えないほど活躍がなかった。 しかし、その耐え忍ぶ時代に様々な人と関わりをもっては、一目置かれる存在になっていく。 その時代があったからこそ、後半の活躍に繋がる。非常に聡明な人。 ドラマの最終回で明智光秀が 「己の思う心に従うが良い」と叫ぶ。 利益や地位ではなく、己の心と平らかな世という正義を第一に考えて生きた、素晴らしい武士。 こういう殿にお仕えしたい! そして、私が明智光秀さん以上に惹かれたのが、妻の熙子さん。 初登場のシーンから惹かれました。木村文乃さん。 かくれんぼの最中、光秀にみつかり。花吹雪の「そーれ。それー」 あまりにもチャーミングな姿に一瞬でとりこになりました。光秀の隣にふさわしい。 「何も怖いことはございませぬ」 次第に、武士の妻として、家を守る者として強くなっていく。その姿にも惹かれた。 「くるか?きょうに」「はい!」 引く時と言う時と。 普段は大和撫子。引いた姿が美しいけれど、言う時は言う。 光秀が倒れた時、雨の中、お百度参り。どこを見ても理想の妻。 これは史実として、煕子が亡くなった時には光秀も葬儀に参列したそうです。これは武士の妻としては非常に珍しかったとか。それだけ大事にされ、光秀を思っていた。こういう殿方を支える妻になりたい。 最終回に本能寺の変をもってくる構成。 調べたら割と史実に基づいてる部分が多く、非常に面白かった。 ご縁があって、このドラマを見た時に京都の本能寺に行きました。 そこには、「麒麟の香」があり、震えました。そこにも麒麟は平和な世の中にしか現れないと。これが光秀の目指した麒麟。 もう1つ、足が3本の蛙の香がありました。本能寺の変の時に蛙が鳴いたという伝説が残ってるみたいです。 本能寺は大変立派。ずっと行きたかったのですがなかなか機会がなく、この時に行けたのは正にご縁だなぁと。 桔梗の家紋も美しい。 鮮やかな青色。 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。この3人に焦点当たることが多いけれど、今回のドラマを見て。 最も貢献したのは明智光秀だと確信した。今の世があるのは彼のおかげ。煕子の言うように、麒麟を呼ぶ人は明智光秀その人だったのだと。 【滝藤さんファンクラブ】 足利義昭。 私は南北朝時代の南方、足利尊氏と敵対していた大塔宮様や北畠顕家さんが好きなので。 足利は敵! なのですが、足利義昭さんは好きです。滝藤さんが演じたからというよりは、人柄に惹かれました。明智光秀と同様に、平らな世を目指した人。古二条城が足利義昭のために作られたものとは知らなかった! 出家していたからこその視点を持ち。 「生仏」と言われるほど、貧しい人に施しを。 「死にとうはない。悟りとは程遠いゆえ」 「戦は好きではない。死ぬのは怖い。人を殺すなど想像しただけで恐ろしい」 明智光秀から最初はどうなのか?と思われていたけど、次第に信頼されていく。戦国時代において重要な感覚、死を恐れることができるから。 そして、世の中が変わり、足利義昭が将軍に。 裸足で逃げた瞬間もあったけど、 「人を救える。将軍になれば今までできなかったことができる」 「小さな主だ。強い者の助けがいる」 自分の身の丈を理解しつつ、将軍へ。 そして、やはり「麒麟がくる」。タイトルを言う男、滝さんでした。 これは滝さんだからこそですが。光秀が次第に活躍していく場面でもあるので、上洛の話がめちゃくちゃ面白かった。 今は電車ですぐに行ける京都。この時代はそれさえ難しかった。将軍を連れて行くのならなおさら。 茶道のシーンが美しかったなぁ。飲めるか?滴の落ちる音、お茶を仕立てる音。茶道は音が美しい。 次第に…と言うよりは最初から、信長とは相容れぬ存在。最後には剣を持ち戦い、捕まった。 私の知っている人によく似ている。大塔宮様。父である後醍醐天皇のために戦ったが、その力が強過ぎて父から見限られ、足利に捕まって鎌倉宮へ。 比叡山のシーンも大塔宮様を思い出した。天台座主、大塔宮様はわずか20歳でその座に。それって本当にすごいことなんだなぁと。 今でも比叡山にお墓があるので、ぜひもう1度いきたいなぁ。 足利義昭さんが大塔宮様と違うのは、命までは取られなかったこと。 1日に1匹しか釣れない鯛を待ち続ける日々。それでも義輝さんとは違って生涯を全うできた。幸せかどうかは本人にしか分からないけど、戦国時代においては素晴らしいことだったんじゃないかなぁと思ってしまう。いろんな景色を見れただろうから。 「京には戻らぬ」 足利義昭さんはそんな変わらない日々を選んだ。 明智光秀が信長を討つ理由としても、足利義昭さんは大きく関与してる。 ドラマとしても、歴史としても、役者としても。重要な位置にあるお方で、楽しいことこの上なかったです。