レビュー
2019年206本目はSOAの伊藤監督が手がけた新作アニメーション、『HELLO WORLD』。 -------------------------------------------------- 普段まったくアニメを見る習慣のない私ですが、今回は『アムリタ』でデビュー以来、数々の独創的な小説を執筆してきた野崎まど氏が原作ということで鑑賞してきました。これが予想以上に複雑な世界観になっていて流石一筋縄ではいかない出来。恐ろしいことにこれだけの圧倒的な情報量を伴いながらも、本作のランタイムはたったの98分です。 -------------------------------------------------- あっという間に世界が二転三転しながら進んでいく「テンポ」は恐らく意図的なもので、情報の渦に飲み込まれながらも、突き抜けた高揚感と爽やかな読後感を味わうことができます。最終的にタイトルの意味が実感を伴って現れる点は特にトリハダものでしょう。一方で専門用語の羅列に途中から理解を諦めて退屈してしまう層は一定数いると思われ、この辺りのさじ加減は何とも難しいところ。 -------------------------------------------------- 加えてどうにも違和感なのは、通常のアニメーションと比べてぎこちなく動いているようにしか見えない3DCGです。日常のひとこまを見るにつけてもこの違和感が拭えず、その意味でも好き嫌いが別れる一作になっていると思います。
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