レビュー
2020年136本目は、ド派手にものを壊しまくるローランド・エメリッヒ監督が真珠湾攻撃を描く『ミッドウェイ』。 ------------------------------------------------------------ ブロックバスターが大得意のエメリッヒ監督だけあってビジュアルは流石といったところでしょう。劇中では何度も空挺部隊が玉砕覚悟で無謀なチャレンジに挑むのですが、無数の弾丸を避けるどころか正面から突っ込んでミッションを成功させ、まるで絵面に説得力がありません。筋肉質の男たちが爆発物を炸裂させ、「YEAH!」と喝采をあげる様子を半分酔った頭で眺めるのが正しい鑑賞方法です。 ------------------------------------------------------------ 日本人将校として豊川悦司や國村隼らが出演、アメリカ側だけではなく日本の考えについて描かれているように見えますけど、セリフは芝居がかった不自然なものばかりで、台本を棒読みしている印象を強く受けます。結果として日本側が愚かな判断で戦争を開始した敗者、アメリカ側が見事な作戦で勝利を収めた勝者にしか見えず、「いつも通り」の展開にしかなっていないのが非常に残念でした。 ------------------------------------------------------------ 特にエメリッヒ監督作品はキャラクターの掘り下げが弱く、次から次に登場人物が現れては死んでいくので、何を描きたくて登場させたのかが分からないシーンが幾つもあります。出陣におびえる新兵とのやり取り・その後の結果については、酷すぎてギャグにしか見えませんでしたね。とまあ、戦争映画にしたからといって何が変わるわけでもない「平常運転」の1本です。
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