レビュー
【もはや映画じゃない戦慄の60分】 実際の暴力事件の描写に、まるで自分がその場の目撃者になったような感覚に陥る、映画中盤の怒涛の60分間のインパクト。黒人差別へのこれほどの怒りがにじむ映画はないと思う。 ◆ 1967年、暴動中のデトロイトの一夜に起きた、黒人発砲容疑者達への、白人警察による非人道的な暴力尋問を中心に描いた作品。 監督は『ハート・ロッカー』で女性初のアカデミー賞監督賞を受賞したキャスリン・ビグロー。 出演は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のジョン・ボイエガ、『レヴェナント:蘇えりし者』ウィル・ポールター、『アベンジャーズ』シリーズのアンソニー・マッキー、『トランスフォーマー/ロストエイジ』ジャック・レイナーなど。 ◆ もはや映画じゃない、中盤の60分間(おそらく)のインパクトがすごい。時系列的な編集点がなく、つまりリアルタイムで“戦慄の一夜”その場に遭遇しているような、目撃者としてそこにいるような感覚に60分間延々と陥る。見ているのはとても苦しいけど、こんな映画見たことないというほどの衝撃。 この映画の存在価値は本当に尊い。1967年、もはや50年以上前の事件に対して、映画という形で真実を訴え、警笛を鳴らす作品だと思う。暴行事件後の裁判のシーンも、人種の違いによる不公平さがこれでもかと痛いほどリアルに描かれている。これほど映画全体を通して、黒人差別、不公平への怒りがひしひしと伝わってくる映画はないと思う。 是非たくさんの人に見てもらいたいと思う作品。
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