今年公開の洋画ではダントツのNo.1!
脚本、キャスト、カメラワーク、演出、編集すべてが完璧な作品に久々に出会えました。
This used to be our playground.
This was our playground.
冒頭の授業風景から主人公チェン・ニェン(チョウ・ドンユイ)の存在感に心を鷲掴みにされる。
そして舞台は中国の壮絶な大学入試「高考(ガオカオ=大学統一入試)」を数ヶ月後に控えた高校時代へ。
自殺した同級生の亡骸に上着をかけたことをきっかけに周囲からイジメられるようになったチェンは、ある日チンピラのシャオベイ(イー・ヤンチェンシー)と知り合う。
貧しい母親との暮らしから脱出する唯一の手段である受験に集中したい一念でシャオベイにボディガードをしてもらうことになったチェンだが、シャオベイの不在を狙ったイジメは止まらず、さらにエスカレートしていく。。。
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本作は未だに無くならないイジメの根絶を願った作品ですが、まず同級生の自殺シーンを、そのシーンを一切映さないで描くシークエンスからとんでもなく秀逸で、とにかくカメラワークがカッコよすぎる。
そしてなんといっても「中国13億人の妹」チョウ・ドンユイがたまらなく眩しい。
理不尽なイジメに耐えながらもひたむきに受験に集中しようとするチェン・ニェンの人間的美しさと儚さが訴えかけてくる正義の意味。
撮影当時26歳だった彼女の、表情に出さない喜怒哀楽の演技と涙が神がかっていて、超絶素晴らしかったです。
壮絶なイジメと苛烈な受験戦争を舞台に、優等生とチンピラの交流を描いたストーリーも見事。
「勉強して、テストを受けて、いい学校に行って、頭がいい人になって答えを見つけたい。
もしできるなら、世界を守りたい」
アカデミー賞国際映画賞ノミネートの大傑作をぜひ映画館で堪能してください。超オススメ!
2021.7.22@京都シネマ