レビュー
チェ・ユンテが監督・脚本を務めた、2020年公開の青春ドラマ。 プロ野球選手を目指す主人公スインが「女性」というだけで冷遇される社会と向き合っていく様子を描いた本作は、韓国プロ野球(KBO)主催の公式試合に先発登板したアン・ヒャンミ選手の実話を基にしているそうです。野球に関してさして興味のない自分には楽しめないのではないかと不安に思っていましたが、むしろ本作は性別や年齢を問わず誰にでも響くような作品に仕上げられています。「女性だから」という理由で出来る事が制限されたり軽んじられるという状況は決して野球に限った話ではありませんし、そういう偏見や固定概念に抑圧されたままの状態が至る所で続いている現状を考えると、本作はむしろ万人が向き合わなければならないテーマを掲げているとも言えます。男性優位な社会にも屈せず決して信念を曲げない彼女の姿は非常に勇ましいですし、本作はそんな彼女が周囲の人間の考え方を徐々に変えていく物語であり、「強い信念を持つ事の大切さと、そこに秘められた大きな可能性」に気づかせてくれるような作品だと思います。 本作では既存の価値観に当てはめられた人や抑圧に耐えきれず夢を諦めた人、はたまた有利な社会であるが故に悩む人たちが主人公の周囲に置かれている事により、「その社会の中で暮らす事の難しさ」がより強調されていると思いました。そんな中でも決して弱さを見せずひたすら努力して続けるスインは本当にカッコいい!スインを演じたイ・ジュヨンも抜群にハマっていると思います。趣味や特技に熱中した経験がある人には胸を張っておすすめ出来る一作! 自分はキャッチボールすらろくに出来ない。
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