レビュー
my life

my life

2 years ago

4.5


content

淪落の人

映画 ・ 2018

平均 4.1

「淪落の人」を初鑑賞してみた。監督はオリヴァー・チャン。鑑賞後に調べると、まだ30代の女性監督らしい。往年の香港映画らしさは微塵もなく、何とも繊細なタッチの温かみのある作品に仕上がっている。 まず、タイトルの意味を考えよう。 淪落の意味がよく分からへんのである。 軽くググると、読み方は『りんらく』。 『おちぶれること』を指す言葉らしい。つまり、身体が不自由となり、おちぶれた状態だとでも言うのか。それだと、余りにも酷い邦題ではないのかな。 いやでも、事故で半身不随となり妻とは別れ、息子とは別々に暮らしている家庭環境の心理的な状況も含めてのコトやろうけども。だけど、そう悲観的なものではないのが、せめてもの救いかな。 主演はアンソニー・ウォン。少し前に観た「エボラ・シンドローム」の彼はもういない。実に柔らかい大人の演技。また一つ、アンソニー・ウォンの好きな映画が増えた感じ。 家政婦にはクリセル・コンサンジ。主要キャストでは、このヒトだけよく知らないが抑えた演技が素晴らしい。サム・リーが出ているのも割りとポイントなのだ。サム・リーも、やはり少し老けたと感じるが、逆に渋みが増したようにも映る。 いゃあ、この題材やからベタに感動させてくるもんやと予想してたけど、ふわっとしたイメージを超えてきたやん。徐々に距離が縮まる二人の関係には単純に胸を打たれるものがある。いやでも、やはりベタな展開やけど。だが、それが良いし素敵やん…ってな映画。 でも少し距離が近過ぎるんやないかい。なんて、思えてもしまうがカメラのくだりは格別。失くしてしまったと言って嘘をついた、2度目の方ね。敢えて何も言わない優しさもあるもんやね。 家政婦だって、夢を持ちたい。夢を追うコトの素晴らしさ。人との繋がりや周囲の環境。紆余曲折はあるものの、総じて起承転結を上手く繋げている印象だ。 プラス、アンソニー・ウォンの滲み出る魅力が大きいのが最大のポイントだと再認識。だって「エボラ・シンドローム」とのギャップも凄いものがあるし…演技の幅を見せ付けられた感じも残るのだ。