レビュー
実在する作家、マーガレット・キーンの半生を描いた伝記映画。 ダークファンタジーな世界観を得意とするティム・バートン監督作品ではありますが、非常にクリティカルな作品に仕上がっています。 実在するゴーストペインターを描いた本作は、それ自体を良しとしないテーマがありながらも、 当時のジェンダー観として女性が才能や個性を生かせない社会背景や芸術作品の二次的商業利用(関連商品やコピー品)による芸術市場の変容など、 様々な批判的描写が描かれています。 男の私でも見ていて気疲れをするような図太い性格をしたウォルター・キーンですが、そのような意味ではクリストフ・ヴァルツがコミカルに好演していたかと思います。 当時としては非常識にも捉えられる女性としてのジェンダーを打ち破っていくマーガレット・キーンの姿は現代の自律した理想の女性像を思わせます。 プラダを着た悪魔やマーガレット・サッチャーなどと合わせて観たい作品です。
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