レビュー
我が子を失った主人公ジェシーと夫のマークが悲しみを乗り越えるために8歳の少年コーディを養子として迎え入れるが、彼は眠ると夢が具現化し現実になるという不思議な力を持っていた...。夢を具現化する能力という設定もおもしろいし、ファンタジーとホラーが絶妙に融合されておりそのバランスも見事。コーディが眠るのを避ける理由やキャンカーマンの正体、過去に彼の身に何が起こったのか全ての謎が明かされたとき、なるほどと思うと同時に切ない気持ちにもなった。また、本作ではコーディの謎を解き明かす過程でひとりの母親が我が子を失ったというトラウマを克服する姿を描くことにも成功している。しかし、ジェシーはマークに冷たすぎるというか、無関心すぎるというか、彼がああなってしまったにも関わらず暮らし始めたばかりの養子のコーディの方を異常に恋しがるのはちょっと理解できない。それに最後もあれで良かったのか疑問である。ショーンの死を引きずっていたのはむしろジェシーの方で、マークは前を向こうとしていたのにあのラストシーンは彼にとっては不本意なのではないかなと思った。それでもストーリーの完成度は高いし、ホラー、ファンタジー、サスペンス、ヒューマンドラマなどの様々なジャンルが決して干渉し合うことなく見事なバランスで構成されているため見て損はない作品となっている。
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