レビュー
ジュネ

ジュネ

8 years ago

2.0


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ある優しき殺人者の記録

映画 ・ 2014

平均 2.9

『コワすぎ!』でインディーズ畑ながら着実に活躍を続け、ついには来月新作の『不能犯』公開で松坂桃李を主演に迎えるレベルに達した白石監督のモキュメントサスペンス。 ただ、本作を見てはっきりと実感するのは、殺人事件とモキュメンタリーの食い合わせの悪さです。このジャンルはほとんどが超常現象や怪奇現象を目の前にして、なす術なく止めることもできずに人間が恐れ戦き、逃走本能を剥き出しにするところに面白さがあります。 後半にて本作は白石監督のオハコであるオカルト要素満載の展開を繰り広げていくのですが、前半は完全に殺人犯との対峙という現実の世界です。この一連の流れがめちゃくちゃに不自然で、個人的にはかなり違和感を感じました。特に、複数対一人の構図になって、そのうち一人が殺人犯を取り押さえてるのに何にもせずにカメラマンが撮影し続けるってのはあまりにあり得ない。 更に拍車をかけるのが、途中で乱入してくる狂気じみたカップルのわざとらしい過剰な演技です。今までの白石作品で荒唐無稽な世界観ゆえに成立していたテクニックが、現実味を帯びた世界観を前提にするとこうも死んでしまうのか、とちょっと驚きを禁じ得なかったです。