レビュー
この映画「ロビイストの陰謀」は、"ロビイスト"ジャック・エイブラモフの栄光と転落を映画化した人間ドラマだ。 パートナーと共に、投資で徐々に財産を増やしていたジャック。 しかし、先住民を騙して、カジノを手に入れたり、政治家に賄賂を贈るなど、次第に危険な道を歩み始めることに--------。 会話劇がほとんどの渋く、地味な内容なのに、スピーディーな展開とキャラクターの面白さで一気に見せる。 脚本が良く出来ていて、いかにも映画好きが作ったというように、映画ギャグが満載。 特に、主演のやたら調子のいい政治犯罪者を演じる、ケヴィン・スペイシーが、ハッタリと脅しすかしで、政界に巣食う怪人を嬉々として演じていて、彼がかつて出演した「ユージュアル・サスペクツ」に並ぶ、素晴らしさだ。 欲を満たすためなら、右も左もお構いなしで、善悪の規範が先天的に欠如した、ロビイストの異常で狡猾な人間性、こうした唾棄すべき男をやらせたら、まさに天下一品だと思う。 ユダヤ人の狡猾さや共和党の悪辣さを、ここまであからさまに描いていいものかと思わせるほどの、大胆さが痛快だ。 移民種族が、先住民族を騙すというやり口も、いかにも象徴的で、示唆に富んでいる。 ただ、惜しむらくは、ケヴィン・スペイシーの一人芝居のコンセプトだが、報道、FBI、情報を漏らした女などの視点が入れば、もっと立体的に事件を俯瞰できただろうと思う。
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