
dreamer

シッピング・ニュース
平均 3.0
この映画「シッピング・ニュース」は、ピュリッツァー賞と全米図書賞を受賞した、ベストセラー小説「港湾ニュース」を映画化した人間ドラマです。 「サイダーハウス・ルール」「ショコラ」の名匠ラッセ・ハルストレム監督がメガホンをとり、孤独な男の再生のドラマが、彼の祖先の過去をめぐる謎とともに描かれ、極寒の島の美しい風景の中で、傷ついた人々の心の痛みや悲しみを徐々に浮き彫りにしていくのです。 ベストセラーになった本ですから、是非とも映画化してみたいと思う人がいたとしても不思議はなかったでしょう。 ところが、この小説は映像化は不可能だと言われていたそうで、ラッセ・ハルストレム監督は「映像化は無理と言われているものを敢えて撮ってみたかった」と語っていて、かなり意気込んで撮ったものと思われます。 豪華な出演俳優陣を見ても、全米公開日を見ても、この映画がアカデミー賞狙いで製作されたことは明らかですが、結果として全くノミネートすらされませんでした。 新聞社でインク係をしているクオイル(ケヴィン・スペイシー)は、父親の厳しい教育がトラウマとなってしまい、自信を持てないまま成長し、自分の殻に閉じこもるネクラな中年男。 そんな彼も美しい女性ペタル(ケイト・ブランシェット)と出会い、初めての幸せを味わい、結婚します。 バニーという女の子も生まれますが、ペタルは淫乱女で、夫と娘をほったらかし、若い男と遊んでばかりで家のことなど全く顧みないのです。 クオイルの両親が死んでしまうと、遺産も入らないのと文句を言ったきり、突然バニーを連れて男と一緒に家出をしてしまいます。 次にクオイルのもとに届いた知らせは、ペタルの交通事故死と彼女が娘を闇取引で養子として6,000ドルで売り飛ばそうとしていた事実でした。 失意のどん底にいるクオイルのもとに、アグニス(ジュディ・デンチ)という叔母さんが訪ねて来ます。 クオイルは、祖先の故郷に行くというアグニスに誘われ、心機一転、バニーと一緒にニューファンドランド島へ移り住むことになるのです。 そこで、舞台はこのカナダのニューファンドラント島という極寒の島で、嵐で吹き飛ばされるのを防ぐためにロープで固定されているという、とんでもなくボロい家が出てきます。 電気も来ていないらしく、夜は蝋燭に火を灯さなければなりませんでした。 クオイルは立て続けに良心と妻を亡くして、再出発しようと祖先の故郷にやって来たものの、そこでも自分の祖先のそら恐ろしい歴史を知って愕然としてしまうのです。 また、アグニスの不幸な過去も暴露されます。自宅で託児所をしている未亡人のウェイヴィ(ジュリアン・ムーア)と知り合うのですが、ウェイヴィの過去もまた悲惨なものでした。 クオイルはこの地で地元の新聞社に就職し、船にまつわるコラム"シッピング・ニュース"を扱うことになった彼は、仕事に生き甲斐を見出し、町の人々と交流を深めていくことになるのです--------。 とにかく、この映画に登場するのは、不幸な人たちばかりで、それぞれにトラウマや耐え難いような不幸を背負い込んでいます。 彼らは、なんとか立ち直ろうと必死であることはわかるのですが、なんだかあまりにも淡々とし過ぎていたように思います。 ケヴィン・スペイシー、ケイト・ブランシェット、ジュディ・デンチ、ジュリアン・ムーア、スコット・グレンと演技派俳優が勢ぞろいした豪華な配役陣なのですが、ケヴィン・スペイシーとジュリアン・ムーアは、どうもミスキャストのような気がします。 ケヴィン・スペイシーは、やっぱり、癖のあるキャラクターの方が彼の持ち味ですし、自分の不幸に苦悩する普通のお父さんというイメージではないんですね。ジュリアン・ムーアも彼女の実力からしたら、あと一息という感じがしましたね。 それに対して、冒頭に登場する、クオイルの妻役ペタルを演じたケイト・ブランシェットには本当にブッ飛びましたね。 最初、彼女だとわからなかったくらいで、濃い化粧、派手な服、下品の権化みたいなアバズレ女なのです。 Tバックに網網のストッキングのお尻丸出しシーンには、圧倒されてしまいましたね。 当時、出演していた「エリザベス」「ギフト」「ロード・オブ・ザ・リング」の彼女とは、もう全くの別人なんです。 まさに、これが本物のプロの俳優というものでしょう。 この映画で、こういう姿のケイト・ブランシェットを観られただけでも、収穫だったと思いますね。 もう、とにかく彼女は凄いですね。