レビュー
Schindler's Memo

Schindler's Memo

2 years ago

4.0


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ミッシング(2024)

映画 ・ 2024

平均 3.5

「愛しのアイリーン」、「BLUE」以降、ちょっと低迷気味だった吉田監督、久々の傑作だと思う。 先ずは題名が内容と二重の意味でズバリ合っている。「空白」などという意味不明なネーミングでないのが良い。 そして、役者の自然な熱演を引き出す腕については、今現在、右に出る者はいないのではないだろうか。 公開前から評判の高かった石原さとみについてはもちろんであるが、私的には青木崇高の「優しい男」演技には脱帽してしまった。 日本人男性の静かな優しさをこれほど見せつけたのもなかったのではないかと思う。 終盤近く、便乗キャンペーン(言い方が悪くて申し訳ない)の当事者の母娘が、夫婦のビラ配りの場にきて、「何かできることがあったら言ってください」の言葉に、妻の表情をみて号泣するシーンには、図らずも涙が出た。流石、優香の旦那だ(関係ないか)。 また、森優作の負け組演技は、やはりよほどそのような人を取材しないとああはできないと思う。 さらに、過去作でマスコミとかネットの野次馬根性を辛辣に批判してきた監督であり、本作もその傾向はあるのだが、中村倫也を通して報道の良心をピシャっと訴えた点も素晴らしいと思う。 いずれにしても、渾身の熱演である石原さとみを中心にガッチリ据えて、ワキの役者を光らせる手練手管は剛腕。 早い展開でラストはどんでん返しみたいな感じが横行する昨今、結局何も・・・みたいなストーリーで、各役者の顔だけで120分をもたせたのは凄いと思う。