
てっぺい

秒速5センチメートル
平均 3.7
2025年10月10日に見ました。
【爆速映画】 原作を知ってるのにラストで息を呑む。脚本の妙、映像表現の巧みさ、役者の熱で、実写映画化の紛れもない成功例に。見入り過ぎてあっという間で、“秒速”はむしろ、体感“爆速”だった。 ◆トリビア ◉#憧れが覚悟に 松村北斗は本作が初の単独主演。“あの日の憧れ”が詰まった企画書に、覚悟はあるのかと問いかけられているようだったと語る。 ▷「(アニメ版を知らない人もいる事を踏まえると)あまりにも覚悟が足りないなと思いました。武者震い的に『うわ、怖いぞ』と思いました」 (https://eiga.com/news/20251007/7/) ◉#北斗と貴樹が重なる瞬間 松村北斗は、演じた貴樹について、抱えている記憶や感情を時々反芻する共通点があると語る。 ▷「例えば何かの動画を観ていても冒頭15秒ほどで違うことを考え始めてしまう。何を考えているかというと、取り戻すことができない過去の失敗とかなんです。自分のウィークポイントを反芻するような生き方は貴樹と通じているのかもしれません。」 (https://www.gqjapan.jp/article/20251002-byousoku-5cm-hokuto-matsumura-interview) ◉#たこ焼きで泣ける男 共演した吉岡秀隆は、松村を”たこ焼きを食べているだけで泣けてくる”と称する。 ▷吉岡「彼だけが持っている孤独感みたいなものを、現場で見ていました。ふとした瞬間に、誰も見ていない先を見ているようなところを垣間見られる瞬間があって。(松村のような存在は)ちょっといないなと思う。全部含めて、貴樹だなと感じました」 (https://eiga.com/news/20250827/27/) ◉#時間が止まる感覚 貴樹と同じ30歳を迎えた松村。中学生で芸能界入りしたため、ふと中学生の頃に戻される感覚が、貴樹と共通するという。 ▷「この作品では人生のスピード、時間の伸縮性についても描かれています。貴樹の人生の速度は遅いか止まってしまっているのですが、僕も平均的なスピードには追い付いていなかったり、どこかで止まってしまっている感覚があります。」 (https://www.gqjapan.jp/article/20251002-byousoku-5cm-hokuto-matsumura-interview) ◉#本でつながる役作り 高畑充希は、役作りで明里が働く書店のバックヤードに社会科見学。また彼女の提案で、書店員を演じた俳優同士、好きな本を持ち寄り、意見を交換し合う時間が設けられたという。 ▷監督「明里という役を掴もうと真摯に向き合う姿に助けられました」 (https://5cm-movie.jp/#/productionnote) ◉#原作者を泣かせた映画 本作を鑑賞した新海誠は、自分でも驚くほど泣きながら観たと明かす。 ▷「原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよく分からないまま、でもとにかく、強く感動させられました。『秒速5センチメートル』を作っておいて良かったと、心から思えました。」 (https://5cm-movie.jp/) ◉#アニメと現実が交錯 奥山監督は「アニメで見てきた新宿や種子島の景色を、実際に現地でカメラに収めると、アニメが先か現実が先か分からなくなる不思議な感覚があった」と述べ、実写ならではの強い手応えを語った。実際にその場で松村や共演者が役柄を生きる姿に「これ以上ない経験をさせてもらった」と感動を隠さない。 (https://www.youtube.com/watch?v=0rAEA0WW5mk) ◉#運命を重ねた主題歌 主題歌の米津玄師「1991」は、遠野貴樹と篠原明里出会った年でもあり、米津玄師の誕生年でもある。 (https://5cm-movie.jp/) ◆概要 「君の名は。」新海誠監督による劇場アニメ「秒速5センチメートル」('07)の実写映画化。 【脚本】 鈴木史子(「愛に乱暴」) 【監督】 奥山由之(「アット・ザ・ベンチ」)※本作が初の商業長編映画 【出演】 松村北斗、高畑充希、森七菜、青木柚、上田悠斗、白山乃愛、木竜麻生、宮﨑あおい、吉岡秀隆 【主題歌】米津玄師「1991」 【公開】2025年10月10日 【上映時間】121分 ◆ストーリー 1991年、春。東京の小学校で出会った遠野貴樹と篠原明里は、互いの孤独に手を差し伸べるように心を通わせるが、卒業と同時に明里は引っ越してしまう。中学1年の冬。吹雪の夜に栃木・岩舟で再会を果たした2人は、雪の中に立つ桜の木の下で、2009年3月26日に同じ場所で再会することを約束する。時は流れ、2008年。東京でシステムエンジニアとして働く貴樹は30歳を前にして、自分の一部が遠い時間に取り残されたままであることに気づく。明里もまた、当時の思い出とともに静かに日常を生きていた。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆足し引き 雪の桜木を見上げる貴樹のファーストカット。原作とは全く違うオープニングで、本作が原作から構成が大きく変わる事をここで宣言しているよう。モノローグ中心の時系列な原作から、本作は成年期の貴樹を軸に時間軸が交差していく。特に大きく足されたのは成年期の明里の想いの描写。“思い出は日常”と語る明里は、月を見上げ、月の本を愛おしそうに眺める。月はつまり貴樹との思い出な訳で、この明里の想いが紡がれる事で、ラストのあの踏切の意味合いが原作と大きく変わるのが興味深い。また、本作で足された新しい“5”である、5万語の中から1番大切な言葉を選ぶという要素も、ラストで貴樹の再生を表す重要な指針に。同じ作品ながら、作り方でこうも印象が変わるのかと驚いた。 ◆松村北斗 初の単独主演で、大きな存在である原作の実写化に“怖い”と表現した松村北斗。黙々と仕事に打ち込む様子はいい意味で彼の専売特許というか、会社を辞めるに至るまでの“感情のない”演技に違和感がない。“止まったままの貴樹の人生に共感する”と彼が言うだけあって、もはやハマり役。それでいて、共演者に“たこ焼きを食べてるだけで泣けてくる”と言わしめる、表情だけで魅せる貴樹の悲哀も素晴らしい。特に印象的だったのはプラネタリウムで想いを吐露するシーン。明里への想いを語りながら、“時間が止まったまま”の貴樹自身の気持ちを、静かな涙で魅せる。明里の幻にいざなわれ、包まれるように開眼する貴樹に、思わず涙したのは彼の演技あってこそだったと思う。 ◆ラスト “貴樹くんなら、きっと大丈夫”。明里の言葉に、貴樹の視界が一気に広がる。そこまで8ミリフィルムのような少しぼんやりとした映像が、ここからはっきりとしだす、貴樹の視界の映像表現も。最後まで明かされなかった貴樹が選んだ“5万語のうち1番大切な言葉”は、この貴樹の気持ちを大きく変えた“きっと大丈夫”以外にない。明里のために止まったままの心が、明里のおかげでやっと動き出した貴樹。明里は明里で“思い出は日常”と、貴樹への想いを心に宿す。2時間たっぷりかけて2人の想いを見届けた後に迎えるあの踏切のシーンは、果たしてアニメのそれと全く印象が違うのだから面白い。明里がいないのを見届けた貴樹は、改めて明里の言葉を胸に前へ進み、明里も明里で、いなくなる事で改めて貴樹にエールを送るよう。桜のように、儚いあの日の言葉。でも、たった一言で人生はまた動き出す。原作の実写化でむしろ原作を大いに超えた、素晴らしい作品だと思った。 あなたはどう感じましたか? ◆評価(2025年10月10日現在) Filmarks:★×4.1 Yahoo!検索:★×4.5 映画.com:★×4.1 ※個人評価:★×4.0 #秒速5センチメートル #映画の余韻 #映画レビュー #沈黙の演技 引用元 https://eiga.com/movie/102503/ https://ja.wikipedia.org/wiki/秒速5センチメートル