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ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡
平均 2.9
【人生は偶然という名の必然から出来てる?】 ニートのだらしなさを笑うアホなアメリカ映画かと勝手に想像していたら、訳あり家族の波乱万丈な一日を描くHeartwarming ドラマで盛大にズッこけました(良い意味で)。 最後は意外にも感動のラストが待ち受けてます。 . 邦題は素っ頓狂なので、邦題からのイメージは一切捨ててからご観賞下さい。 . 『人生、こんなはずじゃなかった』って思うことは、誰しも一度は思うことだと思う。 若い頃は“自分には無限の可能性がある”って未来を夢見るものだけど、ほとんどの人がそれを叶えられないのが人生というもの。だから、今ある現実に折り合いをつけて毎日を生きるんだけど、それがまた難しい。 . 現実になかなか折り合いをつけられずにいるのが主人公のニート・ジェフ君(30)。 . まず、ジェフ役のジェイソン・シーゲルの愛らしさよ。 無駄にガタイの良いニートが、クタっとしたパーカー+ハーフパンツで、昼間から地下室でマリファナをゴボゴボ吸ってるけど絶対イイ奴だよね的な姿はナイスキャスティングとしか言いようがない。 そんな彼の1秒1秒の表情が本当に素晴らしい。映画『サイン』に触発され、自らの人生でも運命からの啓示を待ちわび追い求めるが故に、いつも少年のような澄んだ目をしているのに、その奥には時折虚無感が見える。 . 身内にこんな家族がいたら間違いなく精神科を受診させてるところだけど、どうしてかジェフに感情移入してしまい、まるでジェフが目の前にいるかのように感じられる自然体な演技が素晴らしい。 . 物語はバタフライ効果の『テキサスで蝶が羽ばたけば、ブラジルで竜巻が起きる』とか、『風が吹けば桶屋が儲かる』のようにあれよあれよと展開していく。 ジェフ、兄貴、ママの3人の物語が一つに繋がるクライマックスは壮大で、全てはここに繋がっていたのか!と知ると、私たちの未来にも、もしかしたら必然として待ち受けているかもしれない『何か』の存在への期待を抱かせてくれる、感動的なシーンとなっています。ジェフ君の「サイン」がそうであったように。 . 監督・デュプラス兄弟の得意技な、ちょっとブレたカメラワークや突然のズームなどは、日々の中にあるどんな細かな感情の動きも見逃すべきではないよ、すべての出来事は繋がって、驚きを与えてくれるんだよ、ということを教えてくれるよう。 . 笑えて心温まる、どんなド派手な大作映画よりも希望に満ちた本作品は、退屈に思える私たちの毎日がどんなに輝いているかを教えてくれる、優しい作品。私は大好きです。 . ところで、「サイン」ってそんなに観た人に影響を与える程深い映画だったっけ…(;´ `)?