レビュー
1967年のデンマーク。 コペンハーゲンのゴズハウン児童養護施設で実際に起きた事件を基にした作品。 母と3人で暮らしていた13歳のエリックと10歳のエルマーの兄弟は、母の入院を機に児童養護施設に預けられるが、そこでは陰湿な虐待が行われていた。 「人類が月に行けば、すべての問題は解決する」と信じる宇宙オタク、エルマーの夢想がもたらす希望と、その弟を常に守ろうとする兄エリックの兄弟愛にまず心を打たれる。 この映画が秀逸なのは、兄弟の素晴らしい演技もさることながら、かなり過酷な内容ながらも決して心が折れなかった二人が周囲にもたらす勇気と希望の描き方にあります。 時はアポロ計画の真っ最中。 アポロ11号の偉業と、1968年公開の『2001年宇宙の旅』のサントラも登場し、エルマーの夢想を支えます。 ドラマの描き方がリアルで、演出過剰にならないデンマーク映画らしい作品でした。 虐待の首謀者である校長を演じるのは、あのマッツ・ミケルセンの兄ラース・ミケルセンで、こちらの冷徹な演技もマッツファンとしては一見の価値ありでした。
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