レビュー
多分6年ぶり?の再視聴です。改めて見返すと忘れてた部分も多かったですが、私の評価は昔と変わらず星5です。 とても重いテーマで描写も過激な作品ですが、話の構成は分かりやすいです。勧善懲悪、復讐劇です。 全編を通して舞台セットの中で話が進んで行きますが、後から思い返すと、舞台セットでは無く本物の村や風景が想像出来て不思議です。 . 人間の集団が昔から嫌いで(私が学校や田舎に馴染め無かったからなんですが。。。)、閉鎖的な環境の規則や慣行を見下しながら嫌ってた私にとってはまさに、私の正しさを認めてくれるかのような作品なので好きです。 . クソニートの子供部屋おじさんでワナビ気取りのトム。 この無能トムが何故か街の人間のリーダー的な立ち位置になっている事が全ての問題の元凶だと思います。恐らく無能だから街の人もテキトーにあしらえて都合が良かったんでしょう。 そんな無能が仕切る「無法だが慣例だけで秩序がギリギリ維持されている集団」に、恵まれた自分に引け目を感じて苦難と人への奉仕を通して許しを求める、ちょっとマゾこじらせちゃったグレースがやってきます。 . グレースは怒ることも無く只々、人の言いなりです。これが慣例をぶっ壊してしまい秩序が崩壊していきます。 「これ以上やると怒るよ」って事をアピールしないと人は調子に乗るのでこれはマズイですが、実社会でも難しい問題ですよね。 . そんなグレースは虐待の日々から突然、休暇を得たり、父との議論をしたりして冷静に考える事が出来ます。考えた結果「この街醜すぎやろ」と気付きブチギレます。 「権力(武力)を乱用するのは悪だけど、必要な時に使用しないのも悪じゃね?」とか「誰かの幸せになる事をやらなきゃいけない。自分も含めて」と気付いたんでしょう。 そこからの展開はカタルシスの回収が一気に進み、とても心地良いです。 特に泣くのをやめるまで子供を殺すくだりとか胸がスカッとしますね。 . そんなマゾから一転してサディストになっちゃったグレースちゃんですが、次作「マンダレイ」ではドッグヴィルでの事を反省し、また新しい街で新生活スタートです。 ネタバレにならない範囲で言うと「マンダレイ」は「無能・無力なトップならいっそ不要か?」「理由の分からない慣行は不要か?」「権力(武力)を独占した者はそれを乱用せずにいられるか?」等がテーマです。 「マンダレイ」もまた見てみるか~
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