
cocoa
4 years ago

青いパパイヤの香り
平均 3.4
ベトナム出身のフランス人、トラン・アン・ユン監督のデビュー作品。 1951年のベトナム、サイゴン市。 裕福な家に使用人としてやってきた10歳の少女ムイ。 優しい奥様と年配の使用人に可愛がられて一生懸命に働く。 そんなムイの日々や10年後を描く、とても美しい作品でした。 アジアの、それもベトナムの暮らしぶりを描いた今作がフランス郊外での撮影と知りびっくり! 鳥がずっとさえずり、木々は緑に輝き、湿気を感じられる蒸し暑さまで伝わる映像の数々。 ムイや先輩の使用人が水を入れた洗面器で顔や首筋を洗う気持ちよさまで感じました。 壺を割っても怒らない優しい奥様。 (原因はイタズラばかりの子どものせい) 有り金や貴金属を持って何度も家出する主人を持ち悲しむ奥様。 姑には「夫を不幸にする悪い嫁だ」と言われる奥様を見ると女性の立場の弱さはどこでも共通するのですね。 浮世離れをした主人を持ち、生地店を営み働く奥様の姿。 過去にムイと同じ位の娘トーを亡くした悲しみを抱えている。 それから10年後、二十歳になったムイが働くのは奥様の長男の友達だったクェンのお屋敷。 大人になったシーンは極端に台詞が少なく、相変わらず働き者のムイの様子を映し出します。 ムイに文字や作文を教えるクェン。 婚約者ではなくムイを選ぶクェンの選択はまるで監督自身のエピソードのようでした。 (実際に監督はムイの大人役のトラン・ヌー・イェン・ケーとパートナーとなっています) ベトナム戦争を避けてフランスに移住した監督がいつまでもベトナムを愛している、そんなことを感じた美しい作品でした。 今度は「夏至」も観たいです。