
dreamer

CASSHERN
平均 2.5
この映画「CASSHERN」は、昔懐かしいアニメの「新造人間キャシャーン」の実写版ということなのだが、この映画は、設定だけを借りた別物として観た方がいいと思う。 世界観を大胆に変え、メッセージ性の強い作品になっていると思う。 監督・脚本は、紀里谷和明。雑誌写真、ミュージックビデオなどを手掛け、この作品が初監督作だ。 舞台は、近未来の軍事独裁国家。 戦場で死んだ主人公・鉄也(伊勢谷友介)は、父である東博士(寺尾聡)の手で新造人間キャシャーンとして甦る。 だが、彼が戦うべき相手は誰なのか? そんな正義の相対化が、この作品の大きな特徴だ。 仲間を虐殺され、復讐を誓う新造人間のリーダー、ブライ(唐沢寿明)。 独裁者(大滝秀治)の息子(西島秀俊)は、父に反逆しクーデターを企て、東博士は妻(樋口可南子)の病を治すため、科学者の良心を売り渡す。 鉄也もまた、恋人(麻生久美子)への思いとは別に、戦場で犯した自分の行為に苦しむ-------。 CGなどで徹底的に作り込んだ映像は、ほとんどアニメのようで、リアリティーはほとんどない。 ダークでアジア的なデザインは「ブレードランナー」や「攻殻機動隊」を思わせて、残念ながら新鮮さは、あまり感じられなかった。 しかし、そういう非現実的な映像をバックに、苦悩する登場人物たちは「ハムレット」や「リア王」といったシェークスピア劇のようで、唐沢寿明や寺尾聡らの演技が引き立って見えるのが面白い。 そして、最後に浮かび上がるのは、昨今の世界情勢を反映したような、憎しみの連鎖をどう断ち切ればよいのかというテーマ。 伝えたいことは分かるだけに、脚本がこなれて、すっきりしていれば、もっとメッセージが生きたのではないかと思えて、惜しい気がする。