
ken_livehappily

エゴイスト
平均 3.6
「愛」とは誰のためのものなのか、というテーマのお話だったのかな、と思います。 大きなストーリー展開は比較的定番なもので、主人公たちが日本に生きる同性愛者であることと、主人公の浩輔の「お母さん」に対する強い執着によって話に深みを出しているのかなと思います。 オープニングとエンディングに「エゴイスト」というタイトル表示があるのですが、本編を見終わったあとでは文字の重みが違いました。 宮沢氷魚の演じる龍太の透明感のある純粋で無邪気な天然小悪魔の若いゲイの演技が個人的にものすごく惹かれるものがあり、作品の魅力を引き上げている気がします。 監督の方針で演技の自由度(セリフなどを演者にで考えさせる)が高いと聞いていましたが、 そのこともあってかドキュメンタリー映画のようなところもありリアルな感じが伝わってきました。 特に龍太のお母さんにお金を渡すシーンは、映画のテーマにも関わってくる重要な場面で、演技や演出も難しかったんだろうなぁと思います。 カメラワークもドキュメンタリー調のシーンもあり、苦手な人は少しグラグラするかもとも。 要所要所で浩輔の持つ「お母さん」への強い思いを表現していて、その背景も描写がありますが、 浩輔のエゴイズムがかなり強いので、その背景の深掘りはもう少し多いほうが個人的にはしっくりきました。 「お母さん」への執着心は強いのに、実家には年に一度の母親の命日にしか顔を出さずお父さんのことはほとんど顧みないところが、浩輔の心の暗い部分をよく表現していると想います。 浩輔のディーヴァのように振る舞うときがあることも、お母さんの喪失ともリンクさせてるのかな?🤔 映画全体を通して、龍太の死を転換点に、そこまでは純粋な甘い恋愛映画で、そこから先はヒューマンドラマになったなという印象です。 この映画はキラキラしたBL映画ではなくリアルなゲイ映画だなと思うと同時に、すごく綺麗な画で描かれていて美しい映画だなと感じました。